2015年12月1日(火)、DC開発フォーラムでは「教育開発アジェンダと世界銀行の役割:スリランカにおける教育支援を例に」をテーマに、現在世界銀行にてご活躍なさっている荘所真理さんをプレゼンターに迎え、スリランカでの案件やポスト2015の教育アジェンダを通じ世界銀行の教育支援への取り組みについて発表をして頂きました。
プレゼンの主な内容としては、
・EFA(Education for All)では2015年までに達成する6つの目標が定められたが、どの目標も100%は達成されていない状況
・EFAは引き続き全ての国が取り組む課題であり、加えて今後の課題分野はLearningの重視、ポスト基礎教育への注力、若者のスキルと能力の向上、経済成長とより高度な社会を創出するための高等教育、格差の問題、モニタリングと評価の向上等
・世界銀行の教育支援は世界銀行のミッションである貧困の撲滅、繁栄の共有促進のためのものであり、その目標に資するものかどうかという観点からプロジェクトを検討する
・教育は私的収益率(Private Rates of Return to Education)が高く、生産性の向上や経済発展にも強く関連するため、世銀として支援している
・上記のように、世銀では経済学的なアプローチを多用するため、権利としての教育、経済学的アプローチでは測れないものがあるといった観点から批判を受けることが多い
・スリランカにおける事例:Knowledge Services、Lending Operations、Trust Funds Strategic Partnershipの3つを通じ支援。Lending Operationsにおける初等・中等教育プロジェクトでは、プログラムサポート(Eligible Expenditureを設定し、その範囲でなら政府の裁量で資金を配分できるサポート形態)、Disbursement-linked Indicators(重点目標を設定し(当該プロジェクトの場合は5つ設定)、その目標が達成された時点でローンの支払を実行)、等がプロジェクト管理のポイントとなっている
その他、世銀におけるプロジェクトサイクルや、日々の業務をどのようにこなされているか、世銀におけるセクター横断的な取り組み等、様々な内容をお話しいただきました。