2015年12月14日(月)、DC開発フォーラムでは、宮崎明博氏(JICA地球環境部)をお迎えして「開発途上国における安全な水へのアクセス現状とJICAの取り組み」をテーマにBBLを開催しました。
プレゼンの主な内容は、
- 2015年が達成期限であるMDGゴール7(環境の持続可能性確保)の達成状況。飲料水に関するターゲットは既に達成しているが、衛生施設に関するターゲットは達成できていない。今年9月に採択されたSDGs目標(持続可能な開発目標)にも水・衛生に関する目標「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」が掲げられている。
- しかし、未だ開発途上国を中心に約6.6億人の人々が安全な水へのアクセスができおらず、24億人が基礎的な衛生施設にアクセスできていない。水分野における途上国の必要性は依然として高い。
- 水分野における開発途上国の主な課題は、①安全な水の時間的偏在・地域的偏在、インフラの不足、②洪水・土砂災害などによる被害、③水質汚染・水環境の悪化、④水資源の無秩序な開発。
- 水分野におけるJICAの教育方針は、①安全で安定した水の供給、②生命・財産を守るための治水向上、③水環境の保全、④統合的水資源管理の推進(①~③の総合的な管理)。技術協力、資金協力を組み合わせて支援を行っている。
- JICA水分野の最近の動向は、①資金と技術を一体的に組み合わせた総合的な協力の展開、②地方自治体との連携、③アフリカ支援(TICAD V)。
水分野における開発課題や現在のSDGsの議論といったグローバルな話から、JICA水分野の具体的な支援例まで、様々な角度から大変わかりやすく説明していただきました。質疑応答では参加者との活発な議論・意見交換も行われました。
The Povertistにも本BBL報告が掲載されておりますので参照ください。