2019年9月10日発行
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催」
「2020年度JPO派遣候補者選考試験の予告が発表」
「米州開発銀行が設立60周年」他
【2】東京発~世界銀行からのお知らせ
(1) セミナーのお知らせ
【3】ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:「あなたの論文が読まれない理由」
敦賀一平(バンコク在住/国際労働機関)
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【1】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
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– 日本関連 –
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● 8月28日から30日に横浜において第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催されました。
https://ticad7.city.yokohama.lg.jp/english/
● TICAD7のサイドイベント「JICA-AfDBアフリカ投資セミナー・新連携枠組みローンチセレモニー」において、「アフリカの民間セクター開発のための共同イニシアティブ」(EPSA)の拡充が発表されました。
https://www.mof.go.jp/international_policy/mdbs/afdb/190830.htm
● ウズベキスタン共和国との間で、総額2億6,300万円を限度とする無償資金協力「人材育成奨学計画」に関する書簡の交換が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007754.html
● ボリビア多民族国における森林火災に対し、同国政府からの要請を受け、国際協力機構(JICA)を通じ緊急援助物資(衛生・医療用品等)を供与することを決定しました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007792.html
● ガボン共和国との間で、1億円を供与額とする無償資金協力「ガボンにおける若者の早期の望まない妊娠予防計画(UNFPA連携)」に関する書簡の交換が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007790.html
● バハマにおけるハリケーン・ドリアンによる被害に対し、同国政府からの要請を受け、JICAを通じ緊急援助物資(テント,毛布等)を供与することを決定しました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007785.html
● JICAは、BlueOrchard Finance Ltd社が運営するファンド「JAPAN ASEAN Women Empowerment Fund」に追加出資する契約を締結しました。
https://www.jica.go.jp/press/2019/20190903_10.html
● 9月1日防災の日にちなんで、JICAはHP上で、これまでの経験を活かした途上国の被災地支援や復興の取り組みを紹介しています。
https://www.jica.go.jp/topics/2019/20190830_02.html
● 国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN2019」が9月28日、29日お台場で開催されます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/press/event/page25_000205.html
● JANICは、オープン・ソサエティ財団(OSF)の助成を受け、日本国内の人権・民主主義の課題に取り組む団体・個人を対象とした「JANICグローバル共生ファンド」助成事業を開始しました。
【募集期間9/1-9/30】JANICグローバル共生ファンド―日本国内の人権・民主主義の課題に取り組む団体・個人向け助成
● 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/saiyo/index.html
● 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています。
http://partner.jica.go.jp/RecruitSearchForPrsn
● 2020年度JPO派遣候補者選考試験の予告が発表されました(募集は2、3月を予定)。
https://www.mofa-irc.go.jp/jpo/dl-data/2020JPO_announcement_20190820.pdf
● JICAは青年海外協力隊、シニア海外協力隊の秋募集を行っています(締切9月29日)。
https://www.jica.go.jp/volunteer/application/index.html
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– バイ・ドナー関連 –
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● USAID長官は、2011年より教育への投資によって、世界4百万人以上の児童における読解能力の改善を支援したとの表明を発表しました。
● USAIDは、コンゴ民東部におけるエボラ感染拡大終結に向けた人道支援として21百万ドル以上の追加支援を供与しています。
● カナダ外務大臣、国防大臣、国際開発大臣 兼女性の地位・ジェンダー平等大臣は、9月7日、ハリケーン・ドリアンによって被害を受けたバハマのコミュニティーに対し、追加緊急援助を供与しています。
● オーストラリア外務貿易省の出版物「Business Envoy」誌は、アフリカにおけるオーストラリア企業の取引関係強化を支援したオーストラリア政府の成功事例を特集しています。
https://dfat.gov.au/about-us/publications/trade-investment/business-envoy/Pages/business-envoy.aspx
● 英政府は、ハリケーン・ドリアンで被災したバハマに対して150万ポンドの支援を行うことを発表しました。
https://www.gov.uk/government/news/uk-to-allocate-15-million-to-help-hurricane-hit-bahamas
● 英国のジャビド財務大臣は、議会に対して歳出見直し報告を行い、GNPの0.7%を援助に当てる方針を堅持すると述べました。
https://www.gov.uk/government/speeches/spending-round-2019-sajid-javids-speech
● 欧州委員会(EC)のミミカ国際協力・開発局長はラオスを訪問し、550万ユーロ規模の2つのプロジェクトを新たに立ち上げることを発表しました。
● また同局長は、TICAD7においてナイジェリア北東部の復興支援に500万ユーロの追加支援を行うことを発表しました。
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– 国際機関関連 –
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● 国際通貨基金(IMF)は理事会の声明として、 総務会が専務理事の年齢制限を撤廃を決定したと発表しました。これによって専務理事の任命条件は理事の任命条件と等しくなります。また、年齢制限が課されていない世界銀行グループ総裁とも同条件となります。
● 日本政府と世界銀行はアフリカの人的資源開発で協調していくと発表しました。
● 米州開発銀行は、設立60周年を迎えました。9月26日、27日にワシントンDCでイベントを開催します。
● 米州開発銀行は、ハリケーン・ドリアンの被害を受けたバハマに対し1億ドルの緊急支援を行うと発表しました。
● 日本とアフリカ開発銀行は、アフリカの民間セクター開発の支援のために、35 億ドルの資金協力を行うことを発表しました
https://afdb-org.jp/news/3047/
● アジア開発銀行は、震災前後と比較して、ネパールのプロジェクトの成果が向上していると発表しました。
● ADB中尾総裁はインドのモディ首相と3度目の会談を行い、インドの包括的な成長と、急速な経済変革を推進していくための協力を実施していくと述べました。
● OECDの新報告書「生涯を通じたより良い働き方に向けて(Working Better with Age)」によると、政府は、人口の高齢化が急速に進展する中で、生活水準と公共財政の持続可能性を守るために、高年齢者の就業機会の拡大と改善を図らなければいけないと論じています。
● 国連は、中央アフリカで290万人が人道支援を必要としており、さらなる支援が必要だと訴えています。
https://news.un.org/en/story/2019/09/1045662
● WHOは、政府がより栄養改善に力を入れれば2025年までに370万人の命を救える可能性があると報告しています。
https://news.un.org/en/story/2019/09/1045582
● UNCTADは、Digital Economy Reportを発表し、国際的な協調が無ければデジタルデバイドが社会経済格差を悪化させると警告しています。
https://news.un.org/en/story/2019/09/1045572
● 国連は、ハリケーン・ドリアンの被害を受けたバハマに対して100万ドルの支援を決めました。
https://news.un.org/en/story/2019/09/1045642
● FAOは、ソマリアの作付け状況が2011年以来最悪で、このままでは200万人以上が飢餓に陥る恐れがあると警告しています。
https://news.un.org/en/story/2019/09/1045462
● UNHCRは、ベネズエラ難民が430万人を超え、一貫して・予測可能な・強調された支援が必要だと訴えています。
https://news.un.org/en/story/2019/08/1045241
● UNHCRは、難民の子供の半分以上は学校へ行く機会を得られていないと報告しています。
https://news.un.org/en/story/2019/08/1045281
● 国連は、イエメンの人道支援に必要な資金の1/3しか集まっていない上に新たな衝突が発生しており、危機的な状況にあると警告しています。
https://news.un.org/en/story/2019/08/1045282
● UNICEFは、4億2千万人の子供が基本的な衛生状況が欠けており、2億1千万人の子供が安全な飲み水にアクセスできていないと報告しています。
https://news.un.org/en/story/2019/08/1045282
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– シンクタンク・NGO関連 –
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● Center for Global Development (CDG)は、9月4日、新たな出版物である「平等に向けた、EU・アフリカ連携の強化」を出版しました。
https://www.cgdev.org/eu-africa-partnership
● ウッドロウ・ウィルソン・センターは、ブラジルの都市がいかに持続的農業を強化しているかに関するブログ記事を投稿しています。
https://www.wilsoncenter.org/blog-post/how-brazilian-cities-are-boosting-sustainable-agriculture
● ブルッキングス研究所は、中国の急速な経済成長や、地域・世界の開発プロジェクトにおける中国の役割、また、米中貿易戦争に関し、グローバル経済・開発広報部長によるポッドキャストを配信しています。
● ジェトロ・アジア経済開発研究所は、リサーチ・アソシエイト(RA)(非常勤嘱託員)を募集しています(2019年9月2日(月曜)から2019年11月29日(金曜)17:00まで)
https://www.ide.go.jp/Japanese/Recruit/RA.html
● 世界経済フォーラムは、ダボス会議地域会合(於・ケープタウン)において、Eコマースは2025年までにアフリカで3百万以上の新たな仕事を創る可能性があるとして、Eコマースを強化するための行動計画の概要をまとめました。
● フランシスコ・ローマ法王のモザンビーク訪問と同国の和平合意について、英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家がコメントしています。
https://www.chathamhouse.org/expert/comment/hope-peace-and-reconciliation-pope-francis-mozambique
● 英シンクタンクODIは、開発金融機関と持続可能な開発についての報告書を発表しました。
● 同じくODIは、ネパールの災害対策と気候変動についての報告書を発表しました。
● 英サセックス大IDSのブログで、カンボジアにおけるマイクロファイナンスと土地収奪が取り上げられています。
https://www.ids.ac.uk/opinions/microfinanced-land-grabs-and-abuses-in-cambodia-are-no-surprise/
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【2】東京発~世界銀行からのお知らせ
(1) セミナーのお知らせ
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(1) セミナーのお知らせ
■ライフライン:強靱なインフラ構築がもたらす機会
世界銀行東京防災ハブ主催 第22回防災セミナー
日時:2019年9月24日(火)午後3時~午後5時
場所:世界銀行東京事務所 http://ow.ly/Ok6kd
内容:本セミナーでは、自然災害に対するインフラの強靱性の強化に向けてこれまでの経験を共有するため、報告書「ライフライン」の主執筆者とライフラインとしてのインフラ計画・管理に携わる日本の官民の専門家による基調講演とパネルディスカッションを行います。
詳細・お申込み: http://wrld.bg/sZNR30pst4i
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【3】ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:「あなたの論文が読まれない理由」
敦賀一平(バンコク在住/国際労働機関)
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私たちは読むことに疲れてしまった。1970年から2017年までの一流学術誌を分析した研究がある(末尾1参照)。この約40年間で、論文の長さは16ページから50ページとなった。論文の審査に当たる査読者は、駄作の可能性がある40-60ページの論文を読まなければならない。コンピュータの普及によって人が書くスピードは飛躍的に向上した一方、読むスピードというのは然程変わるものではない。査読者の苦労を経て出版された論文でさえ、読むのに3倍の時間を要するようになった。
この結果、読まれない論文が日々大量生産されている。世界銀行が出版した政策文書の13%は250回しかダウンロードされず、31%は一度もダウンロードされず、87%は一度も引用されていなかった。(末尾2参照)多額の費用と時間をかけて世に送り出された研究結果が多くの人の目にも触れられていないとしたら、それは非常に残念なことである。
他の国際機関が出版する政策文書はどうか。過去の出版物と同じような内容のものが散見されるケースがある。たとえば、長い報告書を作成した場合、読みやすさに配慮した要点のみの文書を作成することがある。文書の本質に変更はないので大部分は同じ内容だが、別の文書番号で出版される。こうして同じような文書が世の中に氾濫する。
専業の研究者でさえ論文を読むことに疲れてしまった今、実務家がエビデンスを集めるにはどうすべきか。国際機関で政策の仕事をしていると、若手コンサルタントを雇い、文献調査を行ってもらうことが多い。つまり、短時間で要点のみを凝縮してもらう作業だ。
これが実務家側ができる最大限の努力。一方、研究者から実務家へエビデンスを届ける動きがあっても良いのではないだろうか。このような問題意識から、3分で学術論文の要点を読む・読ませる試みをオンラインマガジン上で始めた(www.povertist.com/ja/paperdrip/)。大量の情報処理に追われる実務家には、ドリップコーヒーができるまでの数分しか残されていないのかもしれない。
1: Leubsdorf. 2018.
Economists can’t write economically, driving demand for brevity.
2: Doemeland and
Trevino. 2014. Which World Bank reports are widely read?
http://documents.worldbank.org/curated/en/387501468322733597/pdf/WPS6851.pdf
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ワシントンDC開発フォーラム「情報サービス(dev-info)」と
「メーリングリスト(devforum)」
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2019年9月10日発行