2020年2月25日発行
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:「物語の力」
真鍋希代嗣(東京在住)
【2】 ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
「米国は、バッタ大量発生の制御を支援するため、800万ドルの人道支援を提供」他
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:「物語の力」
真鍋希代嗣(東京在住)
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2014年、私はイラクに駐在していた。ホテルの窓の外から雷のような音が聞こえた。「あれ?さっきまで気持ちいいくらいの青空だったのに」と思いながら窓に目をやる。黒煙が上がっている。何かと思って窓に近付こうとした瞬間、外から「ダダダダ」とマシンガンの銃声が聞こえてきた。イスラム国(IS)の活動が全盛期であった2014年のイラクの地方での出来事であったため、私はついにホテルが彼らに包囲されたのかと考えた。
これは私が講演の中でよく紹介する、私が実際に体験したエピソードです。イラク、ベトナム、アメリカと5年かけて三か国で色々な仕事をしてきたからか、日本に帰国してからはいろいろなところで講演に招かれることが多いです。
今は経営コンサルタントとして仕事をしているのでクライアントにプレゼンテーションをすることも多いのですが、ビジネスシーンで企業や政府のお偉い方々に説明をするのと、高校生や大学生などの若い方々に講演でお話をするのとでは話のアプローチが全く異なると感じます。
ビジネスでは、いわゆるロジカルな組立てが好まれ、結論を頂上に、それを支える論拠がぶら下がるピラミッドのような構造を意識します。データや分析に基づいて結論を明瞭かつ簡潔に話します。
高校生に話すときは、同じような話し方をしても面白くはありません。ロジカルな構造よりも物語を大事にし、主観に基づいた感想をより多く言うようにしています。特にエピソードが持つ力は強いと感じます。一人の人間の死は悲劇だが、数百万の死は統計上の数字でしかない、とスターリンが本当に言ったかどうかは定かではありませんが、聴衆の頭の中に映像が思い浮かぶような話ができ、かつそれが彼らにとって興味深ければ、それはきっと長く彼らの記憶に残ってくれるのではないでしょうか。
ちなみに冒頭のエピソードの続きが気になる方は講演か居酒屋でご一緒させて頂いた際にでもお尋ねください。
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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
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– 日本関連 –
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● 国連世界食糧計画(WFP)ギニアビサウ事務所代表との間で、ギニアビサウに対するWFPを通じた食糧援助として供与額2.5億円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007593.html
● インドネシアとの間で、インドネシアに対する財政支援を通じて防災分野の政策・制度の改善を後押しし、インドネシアの災害への事前投資を促すと共に同国の対応能力を高めることを目的として、総額318億円を限度とする円借款1件に関する交換公文の署名が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008339.html
● 世界食糧計画(WFP)ネパール事務所長との間で、無償資金協力「ヌワコット郡における学校給食計画」(供与額:3億5,200万円)に関する交換公文の署名及び書簡の交換が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007832.html
● 国際協力機構(JICA)は、フィジー共和国政府との間で、「災害復旧スタンドバイ借款」を対象として50億円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。
https://www.jica.go.jp/press/2019/20200221_11.html
● 国際協力機構(JICA)は、モンゴルにおける新型コロナウイルスによる感染対策として、現在実施中の技術協力プロジェクト「一次及び二次レベル医療施設従事者のための卒後研修強化プロジェクト」において、個人防護具(カバーオール、キャップ、医療用手袋等、総額300万円相当)を現地で調達し、モンゴル保健省に引き渡しました。
https://www.jica.go.jp/press/2019/20200221_41.html
● 同じくJICAは、ベトナム社会主義共和国政府との間で、「ホーチミンン市非開削下水道管路更生計画」を対象として18億8,200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結しました。
https://www.jica.go.jp/press/2019/20200221_12.html
● 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/saiyo/index.html
● 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています。
http://partner.jica.go.jp/RecruitSearchForPrsn
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– バイ・ドナー関連 –
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● 米国は、バッタ大量発生の制御を支援するため、800万ドルの人道支援を提供しました。
● USAID長官は、女性のグローバルな発展と繁栄イニシアチブ(W-GDP)一周年記念でステートメントを述べました。
● 米国ミレニアム挑戦公社CEOは、W-GDPに関し、ステートメントを述べました。
● 米国ミレニアム挑戦公社2021年度予算に関し、トランプ大統領は包摂的な経済成長と、人々の貧困脱却を継続的に支援するための予算として、800万ドルの予算要求を行いました。
● 英政府は、独立評価委員会(ICAI)による紛争地域での性的暴力の防止に関する提言に対する回答を発表しました。
● 欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策上級代表と、欧州委員会(EC)の国際パートナーシップ担当のウルピライネン委員は、加盟国の国際協力担当大臣と面談し、欧州の新アフリカ政策について議論しました。
● 第2回目となる持続可能な開発のためのASEAN-EU対話が開催されました。
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– 国際機関関連 –
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● アフリカ開発銀行を含む国際機関は、オックスフォード大学で開催された脆弱・紛争国における民間投資に関する会議に参加しました。
● 中米アメリカとドミニカ共和国の米州開発銀行メンバー国代表は、同地域のこの先10年の戦略について話し合いました。
https://www.iadb.org/en/news/idb-seeks-renew-central-america-development-agenda-next-decade
● アジア開発銀行とEUは、アセアン諸国の触媒グリーンファイナンス基金に5000万ユーロ支援していくと発表しました。
https://www.adb.org/news/adb-european-union-and-asean-countries-partner-boost-green-infrastructure
● アジア開発銀行は、2019年ネパールの開発プロジェクトに3億ドルの資金を投入しました。
https://www.adb.org/news/adb-registers-record-disbursement-nepal
● 世界銀行とJICAは共催でパキスタンにおいて第2回人的資本サミットを開催しました。
● 世界銀行は、中近東地域の女子起業家を支援するイニシアティブを立ち上げました。
● UNICEFは、様々な災害によりニジェールで子供160万人を含めた300万人が人道支援を必要としていると報告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057701
● UNHCRは、ブルキナファソでの紛争の激化により過去3週間で15万人が難民となったと報告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057831
● WHOは、アフリカの4カ国でエボラ出血熱のワクチンが承認されたと報告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057461
● UNAMIとOCHAは、イラクのISILの統治下にあった地域では、いまだに子供が学校に行けていないと報告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057561
● UNDPは、インターネットとゲームを活用して環境問題に関するアドボカシーを行うMission 1.5 Champaignを立ち上げました。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057391
● UNFPAは、リプロダクティブヘルスの問題に対処するために、6億8300まんどるのアピールを発表しました。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057191
● WHOは、エボラ出血熱は依然として国際的な脅威であると報告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057291
● 国連諸機関は、アフリカの角地域での砂漠飛びバッタへの対処の必要性を訴えています。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057071
● 国連諸機関は、水害に襲われているマダガスカルで緊急支援が必要だとうったえています。
https://news.un.org/en/story/2020/02/1057171
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– シンクタンク・NGO関連 –
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● Save the Childrenは、シリアの冬の寒さにより難民キャンプのコンディションが悪化していると報告しています。
● Save the Childrenは、アフガニスタンで150万人の子供が支援を必要としていると報告しています。
● Oxfamは、ブルキナファソで190万人が水の支援を必要としていると報告しています。
https://www.oxfam.org/en/press-releases/19-million-burkina-faso-urgently-need-water-oxfam-warns
● Oxfamは、イエメンでの紛争の激化について懸念を示しています。
● Plan Internationalは、公共交通機関における性的被害を分析した報告書を発表しました。
https://plan-international.org/publications/safe-ride
● Center for Global Developmentは「アフリカに対する米国の政策」と題したポッドキャストを配信しました。
https://www.cgdev.org/blog/us-policy-toward-africa-howard-french-cgd-podcast
● ウッドロウ・ウィルソン・センターはインド・ニューデリーの経済回復に関するパネルディスカッションを実施しました。
https://www.wilsoncenter.org/event/new-delhis-plan-economic-recovery-what-it-and-can-it-work
● ブルッキングス研究所は、アフリカの不平等の原因と人間開発への影響に関するパネルディスカッションを実施しました。
● 英ODIは、キューバにおける若い女性のエンパワメントについての報告書を発表しました。
● 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家は、アジア各国におけるインターネット規制についてコメントしています。
https://www.chathamhouse.org/expert/comment/asia-s-internet-shutdowns-threaten-right-digital-access
● 英LSEで行われた、ピケティ教授による資本とイデオロギーについての講演の記録が公開されています。
http://www.lse.ac.uk/lse-player?id=4825
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2020年2月25日発行