2020年6月16日発行
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「ワシントンDCでのコロナ期/ポストコロナ期の働き方について」(山田哲司 ワシントンDC在住/DC開発フォーラム・勉強会運営幹事)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
「UNEPは、新型コロナ後の再生可能エネルギーについて論じた報告書を出版しました」他
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:ワシントンDCでのコロナ期/ポストコロナ期の働き方について
執筆:山田哲司(ワシントンDC在住/DC開発フォーラム・勉強会運営幹事)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ワシントンDCでは3/30に発令された外出禁止令が5/29に解除され少しずつではありますが経済再開への動きが出ております(5/29からの“再開Phase1”では、引き続き10人以上の集会は禁止も、レストランでは屋外席に限り同一テーブルに6人まで着席可能となりました)。一方、多くの組織ではRemote Work完全解除にはしばらく時間がかかりそうです。そこでコロナ期の完全Remote
WorkによりワシントンDCの人々の働き方がどのように変わったか、更にポストコロナ期をも含めた働き方について私見を述べたいと思います。
まず米国は元々“Remote Work先進国“と言われてきましたが(実際ワシントンDCに住んでみて実感)、私が報道等で知る限り、今回ワシントンDCの主要な組織(国際機関、シンクタンク、米政府・企業、大学、等々)の多くは、とまどいはありつつも、概ね完全Remote Workに移行できているとの印象です。
Remote Workは必ずしも悪いことばかりではなく良い面もあると思います。例えば、ワシントンDCでの各種セミナーは元々Streaming配信するケースが多くございましたが、会場に行かないと話が聞けないケースもございました。それが現在では完全にWebで参加する形となったことから、移動時間が省ける分、効率的な時間の使い方を人々ができていると思います。加えて、ワシントンDC在住者以外のスピーカーも増えて多様性が増している印象も受けます。ポストコロナ期でもこうした良い面は続くのではと期待します。
一方で、人脈社会であるワシントンDCにおいて直接人と会って話をしたりNetworkingをすることはとても重要なことですが、これができないことを憂う声が聞こえて来ます。といいますのは、この街の人々は、会議室でのMeeting以外にも、Lunch Meeting(仕事が関係する会食は基本夜ではなく昼にします)、更にCoffee Chat(フランクな会話をしたい場合)等、様々な形で人と人とのつながりを重視してきたからです。現在人々はこれをバーチャル空間で代替しようと試みていますが、完全代替するまでには至っていない印象で、ポストコロナ期でも直接人と会うことの重要性は続くと思います。おそらくRemote Workと直接人と会うことを上手く使い分けるようになり、オフィス滞在時間は少し減っていくのかもしれません。
さて、ワシントンDC開発フォーラムでも過去2回バーチャル勉強会を開催しております。依然10人以上の集会禁止等の諸制約があることから、引き続きバーチャルでの勉強会を企画しており、ワシントンDC以外からのスピーカーも検討しております。引き続き、より良い勉強会に向けて試行錯誤しながら進めて参りますのでどうぞ宜しくお願い致します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】 開発フォーラム新着情報チェック
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
┏━━━━━━━━━━━┓
– 日本関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
●ラオスとの間で、供与額15億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008469.html
●フィリピンとの間で、円借款2件(橋梁・道路建設計画及びバイパス建設計画,供与限度額合計1,540億5,500万円)及び無償資金協力3件(農業機械供与,保健・医療関連機材供与及び人材育成支援,合計31億3,700万円)に関する交換公文の署名が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008474.html
●サモア独立国との間で、供与額1.50億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008478.html
●株式会社国際協力銀行(JBIC)は、JBICの2019年度業務実績を公表しています。
https://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2020/0608-013475.html
●JICAでは、中学生・高校生を対象に開発途上国の現状や途上国と日本のつながりについて理解を深め、国際社会の中で日本、そして自分たち一人ひとりがどのように行動するべきかを考えるエッセイを募集しています。
募集テーマ:「世界とつながる自分 私たちが考えること できること」
募集期間:2020年6月7日~9月11日
https://www.jica.go.jp/hiroba/program/apply/essay/
●外務省とJICA、JANICの共催により、国際協力の現状や必要性などについての理解と認識を深めてもらうことを目的とし、毎年開催されてきた国内最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN」について、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から今年度の開催の中止が決定しました。
●外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/saiyo/index.html
●開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています。
http://partner.jica.go.jp/RecruitSearchForPrsn
┏━━━━━━━━━━━┓
– バイ・ドナー関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
●USAIDは,妊婦及び新生児,子供の死亡の削減を加速するために,最大2億ドルの追加拠出を発表しました。
●米国ミレニアム挑戦公社(MCC)長官は,コンコルディア主催のウェブ会合に参加し,アフリカ大陸における水,衛生への投資や,COVID-19パンデミックへの対応に関する発表を行いました。ウェブ会議の模様は以下のリンクより閲覧可能です。
MCC CEO Discusses Agency Investments in WASH and COVID-19 Response in Concordia Webinar
●カナダ政府は,平和の安全,経済及び社会的発展,包摂的ガバナンス,ジェンダー平等,気候変動に関する優先事項を推進するサヘル諸国を支援するとの取組を表明しつつ,カナダがサヘルのための国際的連携に参加する旨発表しました。
●豪州政府は,サイバー問題とクリティカル技術に関して,インドとの間で画期的な協力協定を締結しました。
●6月4日、英国主催でグローバル・ワクチン・サミット2020(Gaviワクチンアライアンス第3次増資会合)がオンライン形式で開催されました。
https://www.gov.uk/government/topical-events/global-vaccine-summit-2020/about
https://www.gov.uk/government/news/pm-humanity-must-unite-in-the-fight-against-disease
●AFDは、アフリカにおける新型コロナウィルス対応についてHPで紹介しています。
●スウェーデン国際開発協力庁(Sida)は、国連人口基金がイラクで実施しているCOVID-19対策に、1600万クローネ(約173万ドル)を拠出しました。
https://reliefweb.int/report/iraq/sida-funds-unfpa-covid-19-response-us-173-m
●欧州委員会(EC)によるニュースレター、"Inclusive
Development News"の最新号が発行されています。
●欧州連合 (EU) とアフリカ・カリブ海・太平洋諸国(ACP諸国)の協力関係(コトヌー協定後の関係)についての協議が再開されました。
┏━━━━━━━━━━━┓
– 国際機関関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
●OECD は、”Economic Outlook”を発表し、その中でコロナウイルスのパンデミックは、過去100年で最悪の不況を引き起こし、人々の健康、雇用、暮らしに甚大な損害をもたらしていると述べています。
●世界銀行は、ヨルダン人とシリア難民の雇用支援促進のための1億ドルのプロジェクトを承認しました。
●国際通貨基金は、新型コロナウイルスに関する新しい試算で、全世界で最大1億人が極度の貧困に陥りかねず、貧困削減面での過去3年の進歩が帳消しになってしまう可能性があると指摘しています。
●アフリカ開発銀行は、ナイジェリアに対する今後5か年国別戦略文書を発表しました。
●同じくアフリカ開発銀行は、サヘル地域の新型コロナウイルス拡大措置支援を目的とした2000万ドルのプロジェクトを承認しました。
●米州開発銀行は、ラテンアメリカ、カリブ海地域の高齢化に関するレポート“Age with
Care: Long-Term care in Latin America and the Caribbean”を発表しました。
https://publications.iadb.org/en/age-care-long-term-care-latin-america-and-caribbean
●アジア開発銀行は、フィリピンの教育支援を目的としたコンディショナルキャッシュトランスファーをサポートする5億ドルの融資を承認しました。
https://www.adb.org/news/adb-approves-500-million-loan-keep-filipino-children-healthy-and-school
●WHOは、アフリカにおけるコロナの件数が20日未満の間に10万件増加しており、警戒を強める必要があると警告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1066142
●国連諸機関は、ジェンダー・気候変動・安全保障の間の関係を分析した報告書を出版しました。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1065982
●UNEPは、新型コロナ後の再生可能エネルギーについて論じた報告書を出版しました。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1066082
●FAOは、 最新の漁業の状況を分析した報告書を出版しました。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1065842
●国連安全保障理事会は、スーダンにおけるUNAMIDの活動を1年延長することを決議しました。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1065612
●UNICEFは、新型コロナによって子供達の学習に大きな格差がついてしまっていると警告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1065672
●WMOは、先月の気温は、過去の5月の中で最も暑い5月であり、気候変動への取り組みが必要だと報告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1065732
●WHOは、新たにエボラ出血熱が流行しだしたコンゴ民主共和国の北西部への支援を進めています。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1065182
●UNICEFは、イエメンの緊急支援のために必要な資金の40%未満しか集まっておらず、このままではWASH関連の活動を止める必要があると報告しています。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1066192
●UNHCRは、サヘル地域の難民支援のために約2億ドルのアピールを発表しました。
https://news.un.org/en/story/2020/06/1066222
┏━━━━━━━━━━━┓
– シンクタンク・NGO関連 –
┗━━━━━━━━━━━┛
●Save the Childrenは、サハラ以南アフリカで迷信による新型コロナのスティグマが広がっていると警告しています。
●Save the Childrenは、アフガニスタンで300万人の子供が支援を必要としていると報告しています。
●Oxfamは、新型コロナによりアフリカで4千万人が食糧支援を必要とするようになると警告しています。
https://www.oxfam.org/en/press-releases/coronavirus-could-increase-hunger-over-40m-southern-africa
●Center for Global Developmentは、「思いやり、不確実性、不安、希望:コロナウイルス時代のアフリカ」と題したブログポストを公表しました。
https://www.cgdev.org/publication/compassion-uncertainty-anxietyand-hope-africa-time-coronavirus
●ブルッキングス研究所は、「日本と中国におけるグローバリゼーションと国家安全保障のバランス」と題したウェブ会議を開催しました。会合の様子は以下のサイトから閲覧可能です。
Webinar: Japan & China – Balancing globalization and national security
●ピーターソン国際経済研究所は、計測可能な一般均衡モデルを使用した長期シミュレーションを活用し、米国の東アジアからの撤退に係るコストについて分析した記事を公表しました。
https://www.piie.com/blogs/trade-and-investment-policy-watch/us-retreat-east-asia-costly
●アジア財団は、「危機の機会:ニューノーマルとしてのグリーンエネルギー」と題したウェブ会議を開催し、持続的な環境の便益に向け、南アジアではいかなるスマートエネルギーの選択が優先されているかに関し、議論が行われました。
●英ODIは、気候変動と紛争、脆弱性についての報告書を発表しました。
●同じくODIは、COVID-19禍における一次データ収集手法についてのヒントとなる論文やガイドラインをまとめています。
https://www.odi.org/publications/16977-primary-data-collection-covid-19-era
●英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家が、国連が発表したデジタル協力にかかるロードマップについてコメントしています。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ワシントンDC開発フォーラム「情報サービス(dev-info)」と
「メーリングリスト(devforum)」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ワシントンDC開発フォーラムでは、本フォーラムの開催する勉強会等のイベント関連情報 (案内・レジュメ・議事録)をはじめとする活動情報に加え、グローバルな途上国の開発関連情報と日本の取り組みに関する最新の情報を、「DC開発フォーラム 情報サービスメールマガジンDev-info」として、電子メールにて隔週で配信しています。
[バックナンバー] 2002年7月以降の全てのバックナンバーは下記のリンクからご覧いただけます。
[メール配信登録] 本情報サービスの配信をご希望の方は、下記リンクよりご登録ください。
https://groups.google.com/forum/#!forum/dev-info-mailmagazine/join
[記事掲載依頼] 本情報サービスへの記事掲載をご希望の方は、下記編集担当アドレスまでご相談ください。
<devinfo.mailmagazine@gmail.com>
[登録解除] 本サービスの登録解除をご希望の方は下記の解除専用アドレスに空メールを送り自動解除いただきますようお願い致します。
<dev-info-mailmagazine+unsubscribe@googlegroups.com>
[情報交換メーリングリスト]
また、本フォーラムでは、毎回のBBLについての意見交換の他、より広くグローバルな開発戦略と日本の関わりに関する 意見交換や情報交換を行うために、「ワシントンDC開発フォーラム・メーリングリスト(devforum)」を運営しています。参加をご希望の方は、下記リンクのフォームより参加申請を行ってください。
https://docs.google.com/forms/d/1FOHL-u1NrbvWbKG7CqWd2arqBpQhH5O8O-7LXFjmf1c/viewform
[DC開発フォーラム全般に関するお問い合わせ]
登録に際するエラーや、dev-infoやdevforumをはじめ、DC開発フォーラムの活動についてご質問・ご意見等ございましたら、お気軽に下記アドレスまでご連絡いただけますと幸いです。
<dc.development.forum@gmail.com>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集担当:小林隼人/荘所真理/畠山勝太/表将幸/神田匡/浅海誠/砂原遵平
発行:ワシントンDC開発フォーラム
DC開発フォーラムHP: http://www.devforum.jp/
Facebookページ: http://on.fb.me/rtR9Le
twitterアカウント: @DC_dev_forum
2020年6月16日発行