2021年2月23日発行
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「地元スーパーマーケットの変遷から考える」
杉原ひろみ(ワシントンDC在住)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
WFP、シリアで1240万人が食糧支援を必要としていると報告
EUは「COVAXファシリティ」への拠出金を倍増 他
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:地元スーパーマーケットの変遷から考える
執筆:杉原ひろみ (ワシントンDC在住)
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普段の買い物に出かけるスーパーに「ホールフーズ・マーケット」がある。オーガニック志向で環境に配慮した食料品小売店だ。全国規模で、カナダやイギリスにも店舗を構えている。だが、私がワシントンDC郊外のメリーランド州に暮らし始めた 20 年前は、「フレッシュ・フィールド」という名前だった。オーガニック食品を売りにして、凛としたポリシーと個性が感じられた。それがある時買収され、気づけば店の看板が「ホールフーズ」に変わっていた。それはたしか 2002 年のことだ。以前ほどの個性は感じられなくなったが、品揃えや品質に特段の変化がないため、利用し続けた。特に鶏肉を買うのは、ここと決めていた。なぜなら、大衆スーパーの鶏肉が美味しく感じられなかったからだ。
2013 年頃だろうか。今度は売り場面積拡張につき移転した。この頃から、ホールフーズは、持続可能な環境やサプライチェーンに配慮した商品やオーガニック野菜を、以前にも増して全面的に推すようになった。しかし、売り場面積が大きくなったことで、買い物に時間がかかるようになった。
そして忘れもしない約4年前、「ホールフーズ・マーケット」は大きな転換点を迎えた。あの巨大企業アマゾンに買収されたのだ。普段の買い物では、売り上げが落ち込んでいるとは感じなかったので意外だった。むしろ、アマゾンが生鮮食料品の分野にまで進出してきたことが衝撃的だった。だからと言って商品の値段が安くなるとか、奇抜なことは全く起こらず、むしろ、個々の顧客データがアマゾンに流れるだけではないかと思った。アマゾンロッカーも店の隅に置かれるようになった。
そして、徐々にホールフーズがアマゾン傘下であることが馴染んだ頃、コロナ禍が起こった。あれから1年。激変してしまった。お届けサービスの開始と充実に伴い、店に買い物に行っても、お客に代わってカートを押し、注文の品を探しては紙袋に入れて行く、買い物代行人が増え、殺伐とした雰囲気が漂うようになった。そして、イートイン・スペースが、買い物代行人の商品仕分けスペースに変わってしまったのだ。コロナ禍前、ホールフーズがスポンサーの、地元マラソン大会前には、ゼッケン受け渡しスペースになるなど、ほのぼのとした雰囲気があったのに、単なる作業スペースと変わったことで、生鮮食料品倉庫になるのではないかと不安がよぎる。が、先日買い物に行くと、作業スペースからアマゾンのサービス承り所へと変わってしまっていた。日々の暮らしでも、誤配で両隣の家のホールフーズ食料品が大量に届けられることがあり、皆、こんなに宅配を利用していたのかと、びっくりする。
この20 年、アメリカ経済の変化や、新型コロナ禍による人々の行動様式の変容によって、こんなに大きく変貌するスーパーマーケットも珍しい。これが、アメリカ社会で家族の食を切り盛りする私が、肌と胃袋で感じる今である。
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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
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– 日本関連 –
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● 国連世界食糧計画(WFP)ネパール代表兼事務所長代理との間で、無償資金協力「母子保健及び栄養改善計画(WFP連携)」(供与額3.64 億円)に関する書簡の交換が行われました(記事 <www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000749.html>)。
● コートジボワール共和国のとの間で、総額736億100万円を限度とする円借款「アフリカ開発基金第15 次増資のための借款」に関する書簡の交換が行われました(記事 <www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000746.html>)。
● ウガンダ共和国との間で、供与限度額38.21億円の無償資金協力「西ナイル地域の難民受入地域における国道改修計画」に関する書簡の交換が行われました( 記事 <www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008958.html>)。
● 国連女性機関ケニア事務所長との間で、無償資金協力「難民キャンプ及び受入コミュニティにおける女性の強靭性強化計画(UN Women連携)」(供与額4億 8,500万円)に関する書簡の署名及び交換が行われました(記事 <www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_000494.html>)。
● 国際協力機構は、エジプト・アラブ共和国政府との間で、「電力セクター改革のための開発政策借款」を対象として250 億円を限度とする円借款貸付契約に調印しました(記事 <www.jica.go.jp/press/2020/20210216_41.html>)。
● 外務省は、2021年度JPO派遣候補者選考試験の募集要項を公開しています(事前登録(必須):1月6日―2月25日、応募書類受付期間:2月1日―2月 25日)(記事 <www.mofa-irc.go.jp/jpo/index.html>)。
● 外務省は、国連事務局人事担当幹部による国際機関就職セミナー~履歴書の書き方・インタビューの受け方~の講義概要を公開しています(記事 <www.mofa-irc.go.jp/work/index.html>)。
● 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事 <www.mofa.go.jp/mofaj/annai/saiyo/index.html>)。
● 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事 <partner.jica.go.jp/RecruitSearchForPrsn>)。
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– バイ・ドナー関連 –
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● USAIDは、COVID-19ワクチンへの世界的アクセスを促進する初期費用として20億ドルの拠出を発表しました(記事 <www.usaid.gov/news-information/press-releases/feb-19-2021-usaid-provide-initial-2-billion-propel-global-access-covid-19> )。 ● カナダ政府は、経済特別措置規則に基づき、9人のミャンマー軍関係者に制裁措置を課すことを発表しました(記事 <www.canada.ca/en/global-affairs/news/2021/02/canada-imposes-sanctions-on-myanmar-military-officials-in-response-to-coup-detat.html> )。 ● 豪州政府は、日米印政府との間で第三回クワド会議を実施し、COVID-19 からの回復支援を含めたインド太平洋民主主義国間の協力について議論を行いました(記事 <www.dfat.gov.au/news/news/australia-india-japan-united-states-quad-foreign-ministers-meeting-0> )。 ● 英政府は、今月1日に起きた軍事クーデターを巡り、ミャンマー国軍幹部3名に制裁を課すと発表しました(記事 <www.gov.uk/government/news/uk-sanctions-myanmar-military-generals-for-serious-human-rights-violations> )。 ● G7外相は、ミャンマーでの抗議活動に対する治安部隊の暴力を非難する共同声明を発表しました(記事 <www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press3_000416.html>)。 ● フランスのバルバラ・ポンピリエコロジー移行相の訪印に際し、AFDは、地下鉄や太陽光発電など、3つの新プロジェクトを進めることに合意しました(記事 <www.afd.fr/en/actualites/india-afd-signs-three-new-agreements-during-minister-barbara-pompilis-visit> )。 ● AFDの支援による、カンボジアで最大となる浄水場建設プロジェクトが開始されました(記事 <www.afd.fr/en/actualites/largest-water-treatment-plant-cambodia-work-begins> )。 ● 欧州連合(EU)は、「COVAXファシリティ」への拠出金を倍増し、10億ユーロとすることを発表しました(記事 <ec.europa.eu/international-partnerships/news/eu-doubles-contribution-covax-eu1-billion-ensure-safe-and-effective-vaccines-low-and-middle_en> )。 ● 同じくEUは、2019年の国際協力や人道支援などの対外活動の年次報告書を発表しました(記事 <ec.europa.eu/international-partnerships/news/2020-annual-report-implementation-eus-external-action-instruments-2019_en> )。
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– 国際機関関連 –
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● 国際通貨基金は、同HP上でデジタル時代における公的貨幣と私的貨幣の共存可能性について議論しています(記事 <www.imf.org/ja/News/Articles/2021/02/19/blog-public-and-private-money-can-coexist-in-the-digital-age> )。
● アフリカ開発銀行は、日本との間で総額736億100万円を限度とする円借款「アフリカ開発基金第15 次増資のための借款」に関する書簡の交換が行われました(記事 <www.afdb.org/en/news-and-events/press-releases/african-development-fund-japan-african-development-bank-group-sign-jpy-736-billion-loan-agreement-42216> )。
● 米州開発銀行は、パラグアイの統計の質向上を目的とした4300万ドルの融資を承認しました(記事 <www.iadb.org/en/news/paraguay-strengthen-its-national-statistics-system-idb-support> )。
● 米州開発銀行は、グーグルパートナーと共同でラテンアメリカカリブ海地域の中小企業強化支援を目的とした2億ドルの基金を立ち上げました(記事 <www.iadb.org/en/news/idb-and-google-partner-strengthen-small-businesses-latin-america-and-caribbean> )。
● OECDは新報告書” Creating Responsive Adult Learning Opportunities”の中で、 日本は急速に変化する働き方に後れを取らないようにするために、成人学習制度を向上させる取り組みを行う必要があると指摘しています(記事 <www.oecd.org/tokyo/newsroom/japan-should-step-up-efforts-to-ensure-opportunities-for-adult-learning-are-more-responsive-to-the-new-world-of-work-japanese-version.htm> )。
● アジア開発銀行は、新報告書「アジア経済統合報告書2021 年版」の中で、デジタル・プラットフォームやその他のテクノロジーを用いたツールが、アジア・太平洋地域のあらゆる規模と業種の企業に新たな成長機会をもたらすとともに、そうした傾向は、同地域の新型コロナウイルスのパンデミックからの持続可能な回復に向け、多大な貢献を果たすと論じています( 記事 <www.adb.org/ja/news/leveraging-digital-technologies-key-asia-covid-19-recovery-adb> )。
● 世界銀行理事会は、モンゴルにおける新型コロナウイルス感染症対応に5,070万ドルの追加支援を承認しました(記事 <www.worldbank.org/en/news/press-release/2021/02/11/world-bank-approves-507-million-for-affordable-and-equitable-covid-19-vaccine-access-in-mongolia> )。
● 世界銀行理事会は、アフガニスタンの農村部における干ばつと新型コロナウイルス感染症に対する支援を目的とした、国際開発協会(IDA)からの9,750 万ドルのグラントを承認しました(記事 <www.worldbank.org/en/news/press-release/2021/02/16/new-grant-to-improve-food-security-lessen-drought-and-covid-19-impacts-for-rural-afghans> )。
● WHOは、新型コロナへの対応のために約2千億ドルの資金を必要としています(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1085142>)。
● イエメンで500万人が飢餓の一歩手前の状況にあると報告されています(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1085162>)。
● UNICEFは、コンゴ民主共和国で300万人の子供達が暴力と飢餓の危機に瀕していると報告しています(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1085182>)。
● WFPは、シリアで人口の60%にあたる1240万人が食糧支援を必要としていると報告しています(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1084972>)。
● UNEPは、気候変動・生物多様性・汚染問題に対処するための方法を分析した報告書を出版しました(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1085092>)。
● UNHCRは、ブルンジの支援のために2億2千万ドルのアピールを発表しました(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1084852>)。
● IASCは、人道支援とユースに関するガイドラインを発表しました(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1084832>)。
● FAOは、旱魃・洪水・砂漠飛びバッタの被害に見舞われているソマリアで260万人が食糧支援を必要としていると報告しています(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1084952>)。
● WHOは、ギニア南部でエボラ出血熱の発生を確認しました(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1084692>)。
● UNCTADは、Global Trade Updateの最新版を出版しました(記事 <news.un.org/en/story/2021/02/1084332>)。
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– シンクタンク・NGO関連 –
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● JETROアジア経済研究所は「東アジア地域における貿易投資ルールの政治学・経済学的分析」に係る研究会開催報告を公表しました(記事 <www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Download/Seisaku/202011.html>)。 ● Center for Global Developmentは開発途上国におけるCOVID-19ワクチン証明書についてのブログ記事を公表しました(記事 <www.cgdev.org/publication/covid-vaccine-certificate-building-lessons-digital-id-digital-yellow-card> )。 ● ウッドロウ・ウィルソンセンターは、「中東北アフリカ経済アウトルック2021:課題及び機会」の公表に伴いパネルディスカッションを行いました(記事 <www.wilsoncenter.org/event/menas-economic-outlook-2021-challenges-and-opportunities> )。 ● 韓国KDIスクールは、開発協力分野に関する論文を募集しています。選出された論文は、2021年9月15日-16日開催の「Frontiers in Development Policy (FDP) Conference」で発表されます(記事 <kdischool.ac.kr/#/www/content/calendar/event?contentId=36950>)。 ● 英ODIは、アフリカにおける気候変動と貿易についての報告書を発表しました(記事 <www.odi.org/publications/17862-climate-and-trade-nexus-africa>)。 ● 英IIEDは、8つの動画で2020年の活動をまとめています(記事 <www.iied.org/iied-annual-review-2020>)。 ● 英サセックス大学IDSは、ナイジェリアにおける女性の政治参加についてのペーパーを発表しました(記事 <www.ids.ac.uk/publications/womens-political-participation-and-its-predictors-in-northern-and-southern-nigeria/> )。
● Save the Childrenは、紛争の影響を受けている子供の6人に1人が性的暴力に晒されているという分析結果を発表しました(記事 <www.savethechildren.net/news/1-6-children-living-conflict-zones-risk-sexual-violence-armed-groups> )。
● Oxfamは、イエメンで40%の世帯が紛争の影響で負債を抱える状況に陥っていると報告しています(記事 <www.oxfam.org/en/press-releases/nearly-40-cent-yemen-families-forced-debt-pay-essentials-oxfam> )。
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