2022年6月14日発行
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「コロナでのネットワーキングと大学院での学び」 谷山奈津実(ワシントンDC)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
WFPは、ウクライナでの食糧支援でウーバーと技術協力をすることになりました(記事)
Oxfamは、国連が発表したアピールを分析した報告書を出版し、過去20年間で気象関連のアピール額が800%も増加していると報告しています(記事) 他
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:コロナでのネットワーキングと大学院での学び
執筆:谷山奈津実 (ワシントンDC)
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先月下旬、ジョージタウン大学国際開発修士課程を卒業しました。
日系民間企業とJICAで5年半ほど働き、国際機関への就職を目指してワシントンDCの大学院への進学を選択しました。が、渡航した2020年夏はコロナ真っ最中、人はまばら、授業はオンライン、2年目に対面形式に戻ったはいいものの、インターン等は未だオンライン多数。そのような2年間の、大学院での学びやネットワーキングを試みる中で、考えたことを書きたいと思います。
1) コロナでのネットワーキングとは
オンラインが多かったとはいえ、授業、セミナー、インターン、capstone等では、自分が就職したい国際機関の元/現役の職員・マネージャーと接する機会はかなりありました。結局のところ、その機会を逃さずに、結果を出し(中身のある発言・質問やペーパーを出して)、周り/教授から認知されることが一番だ、と思うようになりました。また、オンラインの場合、特に、誰が何を発言しているのか一目瞭然、中身にフォーカスがあたる、ただ出る・会うだけで、適切なことが言えないと、逆にマイナスの印象を与えてしまうことさえある、とも感じました。私は、この点かなり苦労し、やっと認知を得て泳げるようになったと思ったのは、4分の3あたりを過ぎた最後の学期くらいだったと思います。
2) 大学院とキャリアのつながり
大学院での環境、及びソフト面での学び・所感は、
– Day1からヘッドスタートをしないといけない
– 少人数でお互いのことがよくわかる、自分の発言や質問が常に評価にかけられているという緊張感、競争
– お手並み拝見の状態から身を立てるまでは結構しんどいが、自分が頑張るしかない
– グループワークは陣取り争いで結構シビア、中には蹴落としてくる人もいる
上記のようなことを経験できたのは、(仕事のほうがよっぽど厳しいだろうとはいえ)、国際機関などでも同様なことが起こっても耐性がついているという意味でよかったと思います。
2年間、「学生」ではあったものの、その言葉から連想されるような生ぬるいことは全くなく、むしろ仕事以上に長時間デスクワークをしていました。DCには、優秀で興味深いバックグラウンドの人が集まっており、授業以外にも、寮などでつながりを作れたことは大変貴重で、フィジカルにDCにいた意義だったと思います。
最後に、自分が在籍していたMaster of Global Human Developmentは、2012年にできた比較的若いプログラムですが、世界銀行などリサーチ系で行われるような、世帯/企業調査データの統計分析をはじめとする色々なハードスキルを身に着けられ、かつ大変すばらしい専門家/実務家の教授とかなり近い距離で教えを得られる、開発を学びたい人にはうってつけの、よいプログラムだと思います。
また、DC開発フォーラム幹事の方々におかれては、ネットワーキング等で色々なご支援を頂きました。
就職活動も道半ばですが、消耗気味で、DCにいると、なんだかんだ机に向かってしまうため、充電のために6月後半の2週間、西海岸に旅に出たいと思います。
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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
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– 日本関連 –
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- WFP(世界食糧計画)ガーナ事務所との間で、供与額5.02億円の無償資金協力「農業バリューチェーン強化計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- 国際連合児童基金(UNICEF)コモロ事務所との間で、供与額2.99億円の無償資金協力「乳幼児期の発達のための養育ケア計画(UNICEF連携)」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- 駐日ウクライナ特命全権大使との間で、有償資金協力「緊急経済復興開発政策借款」(供与限度額:130億円)に対する追加の資金供与(650億円)に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- アルバニア共和国との間で、供与限度額を1億4,530万円とする一般文化無償資金協力「アルバニア国立歴史博物館における保存、修復及び展示環境のための機材整備計画」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)は、ガーナ共和国政府との間で、「ノーザン州における保健医療体制改善計画」を対象として24億5,500万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結しました(記事)。
- JICAでは、社会人採用(2022年10月~11月、2023年1月入構)の応募を受付中です(締め切り6月21日)(記事)。
- グローバルヘルス人材戦略センター主催で7月7日オンラインシンポジウム「ミッドキャリアからの国際機関転職セミナー」が開催されます(記事)。
- JICAでは、中学生・高校生を対象に、開発途上国の現状や、途上国と日本のつながりについて理解を深め、国際社会の中で日本、そして自分たち一人ひとりがどのように行動するべきかを考えるエッセイを募集しています(締め切り9月11日)。募集テーマ:「世界とつながる私たち 未来のための小さな一歩」(記事)。
- JICAでは、社会人採用(2022年10月~11月、2023年1月入構)の応募を受付中です(応募締切6月21日)(記事)。
- 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
- 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
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– バイ・ドナー関連 –
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- 米国政府は、アフリカの角地域での旱魃への対応として、USAIDを通じ約1億500万ドルを提供すると発表しました(記事)。
- 米国政府は、アメリカ地域の安定化とベネズエラ人その他の脆弱な難民や移住者のための人道支援として3億1400万ドル以上の拠出を発表しました(記事)。
- USAIDは、ラテンアメリカ及びカリブ海地域の食糧安全保障と人道支援のための3億3100万ドルの拠出を発表しました(記事)。
- 英国政府とマレーシア政府は、気候変動対策と生物多様性に関する協力関係発展のための新たな合意に署名しました(記事)。
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– 国際機関関連 –
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- WFPは、ウクライナでの食糧支援でウーバーと技術協力をすることになりました(記事)。
- WHOは、新型コロナとサル痘に関する最新の情報を発表しています(記事)。
- FAOは、食料価格の高騰により、世界が食糧輸入に支払う金額が1.8兆ドルと過去最高額になるという予想を発表しました(記事)。
- 国連は、スリランカの170万人の支援のために4700万ドルのアピールを発表しました(記事)。
- FAOとWFPは、飢餓のホットスポットを分析した報告書を出版し、北部エチオピア・ソマリア・イエメン・南スーダン・アフガニスタンが危機にあると報告しています(記事)。
- 国連諸機関は、SDGs Goal7のエネルギーへのアクセスに関する進捗状況を分析した報告書を出版しました(記事)。
- WHOは、たばこ産業に関して分析した報告書を出版し、環境と健康の両方への被害に対して説明責任が果たされるべきだと主張しています(記事)。
- 国際通貨基金(IMF)は、ドルの優位性と非伝統的な準備通貨の台頭と題したブログを同HP上で公開しています(記事)。
- OECDは、経済見通し”Economic Outlook”を発表し、その中で世界経済の成長率は今年は約3%、2023 年は 2.8%と急激に減速し、昨年 12 月のOECD経済見通しの回復予測を大幅に下回ると見込んでいます。ロシアによるウクライナ侵攻で新型コロナウイルスのパンデミックからの復興が一気に後退し、世界経済は低成長と物価高騰の方向に進んでいると指摘しています(記事)。
- OECDは、「グローバル・プラスチック・アウトルック:2060年までの政策シナリオ(Global Plastics Outlook: Policy Scenarios to 2060 )」を発表しました。その中で、需要を抑え、製品寿命を延ばし、廃棄物管理とリサイクルの可能性を向上させる抜本的な対策を講じなければ、プラスチック使用量は人口と所得の増加により約3倍に増加し、それと連動してプラスチック汚染も増加すると指摘しています(記事)。
- 世界銀行は「世界経済見通し」最新版で、世界経済の成長率は2021年の5.7%から今年は2.9%へと低下すると予測しています。新型コロナ感染症の世界的大流行による経済打撃を、ロシアによるウクライナ侵攻が増幅し、世界経済成長の減速度合を強め、脆弱な成長とインフレの高進が長引きかねない状況に入りつつあるとの見解を示しています(記事)。
- アジア開発銀行は、バングラデシュの社会保障改革支援のための2億5千万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
- アジア開発銀行は、フィリピンの資本市場拡大支援を目的とした4億ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
- アフリカ開発銀行は、アフリカ地域の公共財政管理能力向上を支援するアカデミーを立ち上げました(記事)。
- アフリカ開発銀行は、年次総会において、アフリカ地域の気候変動のチャレンジを、若者や女性のグリーン雇用創機会としてとらえるべきであると指摘しています(記事)。
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– シンクタンク・NGO関連 –
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- JANICは、国際協力やNGOに関する相談を受け付けています(2022年度NGO相談員受託)(記事)。
- Oxfamは、国連が発表したアピールを分析した報告書を出版し、過去20年間で気象関連のアピール額が800%も増加していると報告しています(記事)。
- Oxfamは、WTOの会合に際して新型コロナワクチンの知的財産権に関する数カ国の姿勢を非難しています(記事)。
- Save the Childrenは、ミャンマーで過去2年間で不就学児童の数が倍増していると警告しています(記事)。
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2022年6月14日発行