2022年8月9日発行
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「二十一世紀より」 山中瑞樹(世界銀行/ワシントンDC)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
WHOは、今世紀に入ってからアフリカ大陸で健康寿命が10年伸びた事を分析した報告書を出版しました(記事)
Save the Childrenは、経済危機に見舞われているスリランカで、3人に1人の保護者が子供の精神衛生に影響が出ていると回答していると報告しています(記事) 他
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:二十一世紀より
執筆:山中瑞樹 (世界銀行/ワシントンDC)
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ここ数年、このエッセイを年末に書かせていただいていたので、少し気分をかえて、今年は夏休みの時期に担当させてもらうことにした。
北海道の八月初旬、今年は久しぶりに涼しい。子供の頃まだ真新しかった実家は、とっくに近所で一番古い家。昔は最近のように暑くなることは滅多になく、近所で冷房のある家など見たこともなかった。この数年はとても暑くて、冷房のない実家は避暑にはむかなかったが、今年は幸い、過ごしやすい日が多い。仕事の都合で夏休み中に何度かテレミーティングに参加したが、子供の時分には、あちこち傷んで古くなった実家で、インターネットを介してワシントンDCやらその他世界に散らばる同僚たちと深夜にテレビ会議する四十数年後の自分の姿など、むろん想像だにしなかった。けれど、最近はまっている「怪人二十面相」やら幕末の歴史やらの話題で、祖父(つまり私の父)と楽しく盛り上っている息子を見ていると、何世代過ぎても、人間まるで変わっていないようでもある。
パンデミック下でのデータ収集のガイドライン作成に追われた二年が終わってみれば、今度は戦争周辺国の国際指標の計算方法に関する議論が待っている。疫病で混乱する世の中も、内の不満をそらすために外に戦争をしかける為政者も、有史以来、いやそれ以前から変わらず存在するものかもしれないが、その対応は大きく進化していると信じたい。子供の頃遠い未来だと思っていた二十一世紀。「あのころの未来にぼくらは立っているのかな…」なんて昔のヒット曲を頭に浮かべながら、実家の本棚に今でも鎮座している、私の子供の頃でさえ古本の懐かしい匂いを漂わせていた父の子供時代(つまり七十年近く前)の「怪人二十面相」の褐色のページをめくってみる。そんな、のんびりした夏休みもあとわずか。しっかり休んで、おいしい和食を補給して、再渡米とその後に備えたいところだ。
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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
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– 日本関連 –
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- 国連世界食糧計画(WFP)エスワティニ事務所との間で、エスワティニに対するWFPを通じた食糧援助として、供与額2億円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- フィリピン共和国北部のアブラ州における地震被害に対して、国際協力機構(JICA)が供与した緊急援助物資が、同国に引き渡されました(記事)。
- WFPリビア事務所との間で、無償資金協力「食糧援助(WFP連携)」(供与額2億円)に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- パキスタン・イスラム共和国との間で、無償資金協力「ムルタンにおける下水・排水サービス改善計画」(供与限度額12.36億円)に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)は、アゼルバイジャン共和国で太陽光発電事業を実施する“Masdar Azerbaijan Energy” Limited Liability Companyとの間で、プロジェクトファイナンスによる融資契約を締結しました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)は、ブルキナファソの首都ワガドゥグにて、国連児童基金(UNICEF)との間で、「中央地方及び中央西部地方における中学校及び技術教育職業訓練中学校建設計画」を対象として11億6,500万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結しました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)は、国連食糧農業機関(FAO)との間で、アフガニスタンの「食料生産能力向上計画(FAO連携)」を対象として、18億7,900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結しました(記事)。
- 8月17日に外務省国際機関人事センター主催のオンライン国際機関就職セミナー「JPOから国連正規職員(WFP編)へ!」が開催されます(記事)。
- 8月26日にJICPAオンラインセミナー「国際機関で働くグローバルな公認会計士という未来」が開催されます(記事)。
- JICAでは、中学生・高校生を対象に、開発途上国の現状や、途上国と日本のつながりについて理解を深め、国際社会の中で日本、そして自分たち一人ひとりがどのように行動するべきかを考えるエッセイを募集しています(締め切り9月11日)。募集テーマ:「世界とつながる私たち 未来のための小さな一歩」(記事)。
- 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
- 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
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– バイ・ドナー関連 –
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- 米国政府は世界的な食糧危機に対応するため、ガーナに対し250万ドルの開発援助を提供します(記事)。
- 米国ミレニアム挑戦公社はコソボ共和国政府との間で、2億200万ドルのコソボ・コンパクトへの調印を行いました(記事)。
- カナダ政府は、カナダ・ASEAN閣僚級会合において、カナダ・ASEAN信託基金の設立を発表し、100万ドルの拠出を公表しました(記事)。
- 豪州政府、ミクロネシア連邦、日本、キリバス、ナウル、米国は、東ミクロネシア・ケーブルに関する共同覚書に調印し、同プロジェクトにおけるパートナーシップを前身させました(記事)。
- 英国とASEANは、関係強化に向けた行動計画に合意しました(記事)。
- AFDは、気候変動への取組み強化のため、宇宙気候観測機関(SCO)の国際憲章に署名しました(記事)。
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– 国際機関関連 –
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- 国際通貨基金(IMF)は、同サイト上で「減速する世界経済成長に立ち込める不透明で暗い見通し」について言及しています(記事)。
- OECDは、「気候変動資金に関する年次報告書」を発表し、その中で、先進国が途上国の気候変動対策に提供・動員する気候変動資金は、2019年からさらに4%増加し、2018年から2019年にかけては1%増加しました。しかし、先進国が2020年までに途上国に年間1,000億米ドルを提供・動員するという目標には、まだ届いていないと指摘しています(記事)。
- 世界銀行は、女子のエンパワーメント促進のため教育職業訓練を支援する5200万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
- 世界銀行は中央アフリカ共和国の統計データマネジメント向上を支援するための300万ドルの追加融資を承認しました(記事)。
- アジア開発銀行は、アジア大洋州地域の気候変動に対応する都市を支援する新たなイニシアティブ“The Creating Investable Cities initiative”を立ち上げました(記事)。
- アフリカ開発銀行は、エチオピアのキャパシティビルディング、経済強化を目的とした4300万ドルの贈与プロジェクトを承認しました(記事)。
- アフリカ開発銀行は、エジプトの国別戦略文書2022-2026を承認しました(記事)。
- 米州開発銀行は、ウルグアイの農業のデジタル化支援を目的とした650万ドルの融資プロジェクトを承認しました(記事)。
- 2030年までに子供達の間でのエイズを終わらせるための、グローバルアライアンスが結成されました(記事)。
- WHOは、アフリカの角地域の食糧事情が過去70年で最悪の水準にあり、この地域の医療需要に応えるために約1億2400万ドルのアピールを発表しました(記事)。
- WHOは、今世紀に入ってからアフリカ大陸で健康寿命が10年伸びた事を分析した報告書を出版しました(記事)。
- FAOは、先月の食糧価格インデックスを発表し、7月に入り食料価格が大幅に下落したものの、食料供給の安定性には不安が残ると報告しています(記事)。
- 国連諸機関とジョージタウン大学は、気候変動により家を追われた子供達を保護するためのガイドラインを発表しました(記事)。
- IOMは、昨年の難民の帰還状況を分析した報告書を出版しました(記事)。
- IMFは、世界経済予測を更新し、世界的な不況により経済が停滞する恐れがあると報告しています(記事)。
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– シンクタンク・NGO関連 –
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- 8月15日に、政変から1年を迎えたアフガニスタンの現状に関する報告会が開催されます(記事)。
- 9月21日に、2022年度第1回NGO-JICA協議会が開催されます(記事)。
- イエメンで活動している国際NGOは、停戦の延長に向けて共同声明を発表し、さらに2か月の停戦延長が合意された件について声明を発表しています(記事)。
- Save the Childrenは、昨年2月から続く紛争によりミャンマーで世帯所得が半減以下となってしまったと報告しています(記事)。
- Save the Childrenは、経済危機に見舞われているスリランカで、3人に1人の保護者が子供の精神衛生に影響が出ていると回答していると報告しています(記事)。
- Plan internationalは、現在の世界的な食糧危機が少女達に与えている影響を分析した報告書を出版しました(記事)。
- 世界経済フォーラム(WEF)は、米州開発銀行(IDB)及びメキシコ政府との間でメキシコにおけるGender Parity Acceleratorを立ち上げました。これにより、女性の労働参加率を高め、男女賃金格差の是正を目指します(記事)。
- ブルッキングス研究所は、中国やロシアとの緊張が高まる中でのブリンケン米国務長官によるアフリカミッション(南ア、DRC、ルワンダ)についての考察を投稿しました(記事)。
- アジア財団は9月16日より、2023年度アジア財団開発フェローの募集を開始します(記事)。
- JETROアジア経済研究所は、インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)長官を表敬訪問し、今後の連携協力に関する意見交換を行いました(記事)。
- 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)は、ケニアの大統領選挙を分析したポッドキャストを配信しています(記事)。
- 英ODIは、年次報告書(2021-2022)を発表しました(記事)。
- 英Bondは、英国によるSDGsへの貢献をまとめた報告書を発表しました(記事)。
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2022年8月9日発行