2022年10月4日発行
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
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皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「オーストラリア留学という選択肢」 紀谷昌彦(前在シドニー日本国総領事)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
OECDは、新報告書「税制改革2022 (Tax Policy Reforms 2022)」を発表(記事)
国連は、42の国で国連に協力的であるが故に何かしらの被害を被っている人達がいる事を明らかにした報告書を出版(記事) 他
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:オーストラリア留学という選択肢
執筆:紀谷昌彦 (前在シドニー日本国総領事)
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オーストラリアはどのような国だと思いますか?行ってみたいと思いますか?
先月、オーストラリアから日本に帰ってきました。3年間の在勤でした。初めて見ること、知ることばかりで、多くを学びました。実は、オーストラリアに住んでいる日本人は世界第3位の約9万3千人で、米国(約42万人)、中国(約10万8千人)に次ぐ在留邦人数です。以下はタイ(約8万3千人)、カナダ(約7万1千人)、英国(約6万4千人)と続きます。
私自身、初めて留学・海外生活したのは英国で、その後に先進国は米国とベルギー、途上国はナイジェリアとバングラデシュと南スーダンを回りましたが、その中でも大変生活しやすいと感じました。仕事や留学・ワーホリでオーストラリアに来て気に入り、長期滞在・永住している日本人が多いのも理解できます。
特に、オーストラリアは留学先として大変魅力的です。dev-infoの読者の皆さんやご家族、お知り合いをはじめ、より多くの日本人にお伝えしたいと思いましたので、この場で紹介させていただきます。
第一に、大学のみならず社会から多くを学べることです。オーストラリアの大学は世界ランキング上位校が多いのみならず、看護師やICT技術者などの専門分野で英語による技能習得・資格取得が容易で、その後世界で活躍できます。また、発展するアジアにあって欧米文化を基盤に多文化主義(multiculturalism)を掲げ、南アジアや中東など世界中の人たちがお互いの文化を尊重しながら生活・仕事をする文化を日々学ぶことができます。私自身、数十年前に留学先を考える際に、強い米国や歴史の長い欧州に憧れましたが、オーストラリアの社会には世界に誇る独自の強みがあり、そこから得て未来に生かせるものは大きいと感じました。また、一部の人が心配するような英語のオーストラリア訛りは、実際ほとんどありません。
第二に、日本人にとって生活しやすいことです。日本との時差はほとんどなく、家族や友人との連絡も容易です。日本とオーストラリアの主要都市間には直行便が頻繁に飛んでおり、いざという時も安心です。治安も良く、日本語が通じる医療やサービスも多々あります。親日的なお国柄で、対人口比で日本語学習者数は世界一です。
第三に、留学後の就職への様々な機会が開かれていることです。オーストラリアは経済も人口も着実に成長しています。一人当たり国民所得(2021年・世銀統計)は、日本は42,620米ドル、オーストラリアは56,760米ドルです。特に、コロナ後の今は業種横断的に人手不足が大きな課題で、留学中のアルバイトや、卒業生ビザなど留学後の様々な形での就業の方途があります。いわば、「学んで働けるオーストラリア」「海外で通じる武器を身につけるオーストラリア」です。様々な分野でチャレンジして、成功を収めた日本人にも多くお会いしました。
途上国開発に関心を持っている人も、オーストラリアはまず英語圏ですし、エネルギー・気候変動、資源、食料、太平洋島嶼国など様々な分野で強みがあるので、自分に合った切り口を見つけやすいのではないかと思います。また、中学生・高校生の姉妹都市交流・学校間交流、大学の交換留学や短期語学留学、ワーキングホリデー制度の活用など、様々な入口があります。安全保障面でも日米豪印(クアッド)などで重要性が高まっており、人的交流を通じた相互理解と信頼関係の深化は一層重要です。
先月まで在勤していた在シドニー日本国総領事館で、オーストラリアNSW州留学局と協力して、オーストラリア留学の魅力を伝える動画を作成しました。
https://www.facebook.com/watch/?v=1205066773668845
また、在シドニーの留学エージェントが協力して「オーストラリア留学促進協会」を今般設立し、オーストラリア留学経験者のインタビュー動画をダンサー編、日本語教師編、ワーキングホリデー編など早速アップしています。「挑戦することを恐れちゃいけない。何歳になっても。」ということばが印象的でした。
https://www.youtube.com/channel/UCsgiYkzuyIi9M7l1T1uTy8w/videos
オーストラリア政府も留学関連情報を発信しています。
https://www.studyaustralia.gov.au/japanese
一人一人の日本人がこれから世界の中で様々な機会を生かして活躍するために、身近な英語圏のオーストラリアは将来性のある素晴らしい舞台ではないかと思います。留学を考えている皆さんにおかれては、オーストラリアという選択肢を是非ご検討ください。
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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
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– 日本関連 –
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- 10月1日、2日の10時~17時、「グローバルフェスタJAPAN2022」が、リアル(会場:東京国際フォーラム)とオンライン配信を両立したハイブリッド形式で開催されました(記事)。
- 第55回アジア開発銀行年次総会に出席した鈴木財務大臣総務演説が公開されています(記事)。
- 国連世界食糧計画(WFP)バングラデシュ事務所との間で、供与額5.96億円の対バングラデシュ無償資金協力「バシャンチャール島におけるミャンマーからの避難民に対する食糧・栄養支援及びコックスバザール県におけるホストコミュニティのための農業インフラ改善計画(WFP連携)」に関する交換公文の署名が行われました(記事)。
- トンガ王国との間で、供与額4.23億円の税関検査関連機材供与のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- ブータン王国との間で、総額29億9,400万円を供与限度額とする無償資金協力「王立感染症センター建設計画」に関する交換公文の署名が行われました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)は、タイ王国のMuangthai Capital Public Company Limitedに対し、タイにおける農家、零細事業者、個人等の低所得者層向け貸付資金として、海外投融資による99億円の融資契約調印セレモニーを実施しました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)が事務局を務める「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」は、カカオ産業関係者が、児童労働撤廃に向けてそれぞれの立場から期待される具体的な行動を示した「児童労働の撤廃に向けたセクター別アクション」を発表しました(記事)。
- 外務省において、林芳正外務大臣及び吉川ゆうみ外務大臣政務官の出席のもと、「開発協力大綱の改定に関する有識者懇談会」第2回会合が開催されました(記事)。
- 外務省国際人事支援センター主催で、オンライン国際機関就職セミナー「コンサルタントとして国際機関へ」が10月25日に開催されます(記事)。
- ODAメールマガジン第456号が発行されました(記事)。
- 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
- 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
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– バイ・ドナー関連 –
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- USAIDは、米連邦取引委員会(FTC)と提携し、アフリカ各国の消費者保護と競争力強化を支援する新しいイニシアチブを立ち上げると発表しました。このイニシアティブは、デジタル経済の恩恵が反競争的、不公平、または欺瞞的行為によって損なわれないようにするため、法的規制の枠組みおよび制度的能力を強化するものです(記事)。
- 米国ミレニアム挑戦公社(MCC)及びマラウイ政府は、3億5千万ドルのインフラ補助金「マラウイ交通・土地コンパクト」に調印しました(記事)。
- 豪州政府は、アフリカの角およびイエメンにおける飢餓危機に対し、1500万ドルの緊急支援を行うと発表しました(記事)。
- 英国は、紛争下における性暴力に関するサミットを11月に開催予定です。これに先立ち、ウェセックス伯爵夫人が、英王族として初めてコンゴ民主共和国を訪問し、被害者を支援する財団を訪問しました(記事)。
- AFDは、Africa Renewable Energy Scale-up (ARE Scale-up) の支援で実施されている、再生可能エネルギーを活用した蓄電プロジェクトについて、HPで紹介しています(記事)。
- 欧州連合(EU)は、Youth Action Planを採択しました。EUの対外行動計画の一つにYouthが採択されるのはこれが初めてです(記事)。
- EUは、世界の人権保護のため、今後5年間に、EU Human Rights Defenders Mechanismを通じて3000万ユーロの支援を行います(記事)。
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– 国際機関関連 –
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- 国連食糧農業機関(FAO)のチュー・ドンユィ(屈冬玉)事務局長、国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事、世界銀行グループ(WBG)のデイビッド・マルパス総裁、国連世界食糧計画(WFP)のデイビッド・ビーズリー事務局長、世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ・イウェアラ事務局長は世界的な食料安全保障危機に関する2回目となる共同声明を発表し、危機に対処するための緊急対策を呼びかけました(記事)。
- 経済協力開発機構(OECD)と国際エネルギー機関(IEA)が発表した分析によると、多くの国々が非効率な化石燃料補助金を廃止するという長年の公約と、エネルギー価格高騰から家計を守る努力とのバランスを取るのに苦労する中、主要諸国は石炭、石油、天然ガスの生産と消費への助成を大幅に増やしており、国際的な気候変動目標への進捗が遅れていると指摘されています(記事)。
- OECDは、新報告書「税制改革2022 (Tax Policy Reforms 2022)」を発表し、その中で各国が新型コロナウイルスのパンデミックからの景気回復を促進し、エネルギー価格急騰の影響への対応を模索する今、租税政策は重要な役割を果たしていると論じています(記事)。
- 世界銀行は、タンザニアの農村電化拡大支援を目的とした3億3500万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
- 世界銀行は、リベリアの包括的発展支援を目的とした5500万ドルの改革プログラムを承認しました(記事)。
- アジア開発銀行は、初となる気候変動に関連した財務情報開示報告書「気候関連財務情報開示2021(Climate-related Financial Disclosures 2021)」を発表し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言の実施に関するADBの進捗状況について取りまとめています(記事)。
- アジア開発銀行は、アジア・太平洋地域で深刻化する食料危機を緩和し、気候変動や生物多様性の損失の影響に対して食料システムを強化することによって、長期的に食料安全保障を改善することを目的とする包括的な支援プログラムに、2022年から2025年にかけて少なくとも140億ドルを提供する計画を発表しました(記事)。
- アフリカ開発銀行は、2900万ユーロのプロジェクトを通してセネガルの道路ネットワークの発展を支援します(記事)。
- アフリカ開発銀行は、ナミビアのポストコロナの経済復興支援を目的とした1億3490万ドルのローンを承認しました(記事)。
- 米州開発銀行は、1億ドルのプロジェクトを通してペルーの女性の中小企業を支援します(記事)。
- 米州開発銀行は、エルサルバドルの観光業支援を目的とした1億600万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
- 国連は、42の国で国連に協力的であるが故に何かしらの被害を被っている人達がいる事を明らかにした報告書を出版しました(記事)。
- 国連は、4億の環境とデジタルに関する新たな雇用が社会変革を促すだろうと分析しています(記事)。
- WHOは、ウガンダで7件のエボラ出血熱が確認されたと報告し、対応を急いでいます(記事)。
- UN Womenは、ロシアのウクライナ侵攻が、ウクライナ国内外で女性と子供に与えた影響を分析した報告書を出版しました(記事)。
- 国連諸機関は、スーダンで適切な支援が為されなければ30万人以上の子供達が栄養失調で死亡する恐れがあると警告しています(記事)。
- UNHCRは、ウクライナ難民たちは労働意欲を持っているものの、それを実現するためにはさらなる支援が必要だと分析しています(記事)。
- サヘル地域の危機的な状況を分析するためのハイレベルの委員会が設置されました(記事)。
- WHOは、周産期のメンタルヘルス支援のガイドラインを発表しました(記事)。
- WHOは、人の死亡要因として感染症以外の要因が感染症を上回ったことを分析した報告書を出版しました(記事)。
- WFPとFAOは、アフリカの角地域の飢餓は複合的な要因から成っており、一層の支援が無いと餓死者が続発すると警告しています(記事)。
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– シンクタンク・NGO関連 –
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- Save the Childrenは、パキスタンにいる80万人の難民が洪水により更なる苦境に陥っていると報告しています(記事)。
- Save the Childrenは、治安が悪化するハイチで220万人の子供が支援を必要としていると報告しています(記事)。
- Save the Childrenは、シリアでコレラが流行しており子供達に甚大な被害が出ていると報告しています(記事)。
- 30のNGOは、国連総会に際してイエメン支援に関する共同声明を発表しました(記事)。
- Oxfamは、世界の85%の人口が緊縮財政を敷く国で生活していると分析した報告書を出版しました(記事)。
- 世界経済フォーラムは、フィランソロピー・アジア・アライアンスと長期的な協力協定を締結し、官民連携によるアジアの自然・気候変動対策を加速・拡大させることを発表しました(記事)。
- Centre for Global Developmentは、IMFの低所得国への融資能力を強化するためのポリシーペーパーを公表しました(記事)。
- ブルッキングス研究所は「21世紀の国際金融:グローバル・インバランス、評価効果、金融統合」と題した報告書を公表しました。本報告書では国際的な借入・貸付に焦点を当てるだけでなく、世界の為替レートや資産価格の変動によって引き起こされる評価効果の重要な役割を強調します(記事)。
- JETROアジア経済研究所は、第44回(2023年度)「アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞」候補作品公募のお知らせを公表しました(記事)。
- ODIは、途上国における教育への投資についての報告書を発表しました(記事)。
- 同じくODIは、アフガニスタンでの経験にもとづく、平和への教訓についての報告書を発表しました(記事)。
- 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)は、公正で持続可能な森林経済についての報告書を発表しました(記事)。
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2022年10月4日発行