【dev-info】 2023年5月31日号(ユニセフとWHO、43カ国の10億人がコレラのリスクに直面していると報告他)

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2023年5月31日発行 http://www.devforum.jp/

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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス dev-info

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「シナリオプランニング再考 」 川俣 大和   ( Wood Mackenzie/東京  )

 

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック

  • 外務省は、2022年版開発協力白書日本の国際協力を公開しています(記事)。
  • OHCHRは、ミャンマーはクーデターが起こってから10億ドル以上の武器を輸入している事を明らかにした報告書を出版しました(記事)。
  • ユニセフとWHOは、43カ国の10億人がコレラのリスクに直面していると報告しています(記事)。 他

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「シナリオプランニング再考 」 川俣 大和   ( Wood Mackenzie/東京  )

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開発業界からエネルギー分野の調査分析業界に転身して約2年が経ちました。その間、エネルギーをめぐる世界の情勢は一変しました。今回は、現在のような不確実性の高い時代に欠かせず、私の時間の多くを使っているエネルギー分野の長期見通し(Outlook)について考えてみたいと思います。

Outlookにはシナリオがつきものです。そもそも、シナリオとは、またシナリオプランニングとは何でしょうか?

「シナリオ」とは未来の世界をストーリーとして描くことと言えます。シナリオは過去の延長線上で未来を考える予測とは異なる複数のシナリオを想定し描かれることが一般的です。また、そのシナリオを策定するための「シナリオプランニング」は企業・組織・国の戦略検討のために不可欠なプロセスであり、昨今はシナリオプランニングブームとも呼べる状況になっています。

シナリオプランニングの歴史を紐解くと、組織戦略的に取り組んだ事例として1970年代前半に石油メジャーのShellグループが行ったシナリオとそれに続く企業活動に遡ることができます。当時、第四次中東戦争に端を発したオイルショックの影響下で、将来の不確実性が高まった時期。まさに2021年後半からの燃料価格高騰やウクライナ紛争によるエネルギー危機と重なるような混乱期であったといえます。Shellは組織内に置いた専属シナリオチームが、オイルショックの少し前の1971~73年にかけて近未来の石油価格高騰シナリオを策定、社としてその後のオイルショックに適切に対応したとされています。他社に先駆けて戦略的な手立てを打ったことにより、その損害を最小化したというものです。実際には50年前のことで相当程度尾びれがついて伝聞されているともされ、これがいわゆる「Shell 1973 Scenario」の成功神話といわれる所以でもあります。ここで重要なのは、混沌として先行きが誰にもわからない不透明な世界をシナリオとして可視化・ストーリー化すること、さらに重要なのは、経営幹部がそれらを経営戦略に落とし込み、各現業部門に対応を考えさせ、行動につなげることにあるといえます。しかし、実際はこれが極めて難しい。

さて、現代に視点を戻すと、皆さんの組織、会社、また担当する支援国に対して、形は様々でも多かれ少なかれ将来のシナリオを検討し、戦略に落とし込もうとする作業を行っている(行おうとしている)方も多いと思います。私は、特に電力分野において、お付き合いする組織や会社の戦略作りの手助けとなる見通し(Outlook)を策定し提供することが生業ですが、昨今、お客さんとやり取りする中で違和感を抱くことが増えてきました。それは、将来見通しの「回答」を求められることです。弊社に限らず多くの形で世に出される〇〇見通しやXX Outlookは将来を予言したものではありません。むしろ、それらのほとんどは外れ続けてきた過去があります。見通しづくりを担うものとしてこれを言うと外れる前提で作っているのかと𠮟られてしまいそうですが、重要なのは、過去から現在、今後考えられる前提を明確にし、その前提のもとで起こり得る将来像を描くことと、さらには将来のシナリオに与える重要な要素には何があるのかを把握し、それぞれの要素のシナリオに与える感度はいかほどのものなのかを明示的、定量的に示していくことにあると考えています。理想としてはそのプロセスを各組織で実際に行うことであり、その結果、血の通った形で組織に落とし込むことにつながります。我々のような調査・分析会社や国際エネルギー機関(IEA)をはじめとした名だたる国際機関などは、専門的知見や経験から導き出す見通しを示し、世界がよりよい方向に向かうようにサポートすることを使命としますが、他方で、それらからシナリオに示される「答え」のみをピックアップし、知名度や権威のある組織や人、xxさんがこう言っているから、それに則って意思決定をしよう、とするのはいささか危険な側面があるとも言えます。実際は、日々忙しく、締め切りに迫られている中で、ボードや外部ステークホルダーに説明するためにもっともらしい「答え」をピックアップして意思決定に活かすことはやむを得ない面もあると思います。であるからこそ、シナリオの想定や戦略策定に携わる方々には定期的に立ち止まってシナリオプランニングの原点とそれぞれの組織・会社が練る戦略をすり合わせるステップが重要であると感じます。

「不確実な将来にいかに備えるか?」という答えのない問いに対応するには、意思決定を行うための思考力と実行力を鍛えることが不可欠です。シナリオプランニングはそのアプローチの一つであり、私自身、その誰もわからない将来に備えるため、意思決定者との真剣勝負を続け、価値のある分析を提供し続けるものでありたいとの思いを強くしています。

最後に長年Shellでシナリオプランニングのヘッドとして活躍されていたJeremy Benthamさんの言葉で締めくくりたいと思います。

“The purpose of scenarios is to help people make better strategic choices. In this process, there needs to be a special relationship between decision-makers and scenario developers.”

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック

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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を

|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、

└――┘こちら までご連絡ください。

 

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– 日本関連 –

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  • 外務省は、2022年版開発協力白書日本の国際協力を公開しています(記事)。

 

  • 第58回アフリカ開発銀行・第49回アフリカ開発基金年次総会がエジプトで開催されました。日本国総務演説が公開されています(記事)。

 

  • 東ティモール民主共和国との間で、無償資金協力「人材育成奨学計画」(供与額1.72億円)に関する交換公文の署名が行われました(記事)。

 

  • フィリピン共和国との間で、173億9990万円を限度とする首都圏鉄道三号線改修計画(第二期)の円借款に関する交換公文の署名・交換が行われました(記事)。

 

  • カンボジア王国との間で、首都プノンペンとタイ国境を結ぶ国道五号線の改修等を実施するための72億500万円を限度とする円借款、若手行政官等を対象とした日本への留学支援のための3億6,600万円を限度とする無償資金協力に関する交換公文の署名が行われました(記事)。

 

  • 国際協力機構(JICA)は、広島市で開催されたG7サミットの機会を捉え、インドネシア共和国のヌサンタラ新首都庁との間で、新首都開発への協力に関する覚書を締結しました(記事)。

 

  • JICAは、ジブチ共和国政府との間で、「ジブチ市三次医療病院における医療機材整備計画」を対象として5億9,000万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結しました(記事)。

 

  • 外務省は、開発協力白書に掲載するコラム記事の題材を募集しています(締め切り6月30日)(記事)。

 

  • JICAでは、社会人採用(2023年10月~11月、2024年1月入構)の応募を受付中です(6月14日締切)(記事

 

  • 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。

 

  • 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。

 

  • 外務省国際機関人事センター主催のオンライン国際機関就職セミナー「空席公募を通じて国際機関職員に!」が6月7日(水)19:00~20:30(日本時間)に開催されます(記事)。

 

 

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– バイ・ドナー関連 –

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  • 英国は、アフリカ開銀の年次会合に参加し、アフリカのグリーンファイナンスへの支援を約束しました(記事)。

    ●英国は、干ばつや紛争の影響を受ける東アフリカ地域へ、新たに1億4300万ポンドの支援を行うと発表しました(記事)。

    ●AFDは、民間投資支援機関であるProparcoを含めたグループ全体の年次報告を発表しました(記事)。

    ●GIZは、ガーナで電気機器のリサイクルを支援するためのトレーニングを実施しています(記事)。

 

  • 米国国連大使は、”アフリカの角における人道的対応を支援するためのハイレベルイベント”において、米国がアフリカの角の危機に対して約5億2400万ドルの人道支援を提供することを発表しました。これには、USAIDの4億1600万ドル、国務省の1億800万ドルの資金が含まれています。アフリカの角では観測史上最も深刻な干ばつの影響により、エチオピア、ケニア、ソマリアの2300万人が深刻な飢餓に直面し続けています(記事)。

 

  • カナダ政府は、カナダ全体の輸出多様化戦略の一環として、またアフリカとカナダ双方に利益をもたらすために、アフリカのパートナーとの貿易・投資機会の増大と多様化に尽力しています。日、メアリー・ウン国際貿易・輸出促進・中小企業・経済開発大臣は、カナダ・アフリカ経済協力戦略(CA-ECS)に関する公開協議を開始することを発表しました。この協議は、CA-ECSがカナダとアフリカ大陸の間に持続可能で包括的かつ長期的な貿易・経済パートナーシップを構築することを目的としています(記事)。

 

  • オーストラリア政府は、拡大する食料安全保障の危機に対応し、中東とアフリカの脆弱な人々を支援するため、2900万ドルを追加で提供します(記事)。

 

  • KOICAは新たなランドマークとなる展示ホールをオープンしました(記事)。

 

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– 国際機関関連 –

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  • ユニセフは、コンゴ民主共和国東部で性暴力が増加していると警告しています(記事)。

 

  • ユニセフは、シリアとトルコを襲った地震により、今でも620万人の子供が人道支援を必要としていると報告しています(記事)。

 

  • OHCHRは、ミャンマーはクーデターが起こってから10億ドル以上の武器を輸入している事を明らかにした報告書を出版しました(記事)。

 

  • ユニセフとWHOは、43カ国の10億人がコレラのリスクに直面していると報告しています(記事)。

 

  • ユニセフは、マラウイの650万人を支援するために8800万ドルのアピールを発表しました(記事)。

 

  • ユニセフは、アフリカの角地域で700万人以上の5歳未満児が栄養不良に陥っていると報告しています(記事)。

 

  • WMOは、過去50年間で異常気象により200万人が死亡し、4.3兆ドルの経済的損失が発生したと分析した報告書を出版しました(記事)。

 

  • 国連は、サイクロンが襲ったミャンマーで160万人を支援するために3.33億ドルのアピールを発表しました(記事)。

 

  • WHOは、タバコの栽培を辞めて食糧生産をすべきことを分析した報告書を出版しました(記事)。

 

  • 国際通貨基金(IMF)は、同HP上で日本のインフレを巡る不確実性について論じています(記事)。

 

  • 世界銀行グループでは、「世銀改革ロードマップ」に関するご意見を7月31日まで募集しています(記事)。

 

  • アフリカ開発銀行の年次総会がエジプトで開催されました(記事)。

 

  • アフリカ開発銀行年次総会にあわせて、African Economic Outlook Reportが出版されました。その中で2023-24年の間、アジア地域に次いでアフリカ地域が2番目に高い成長率であったと報告しています(記事)。

 

  • アジア開発銀行は、スリランカの経済成長安定を支援するための3500万ドルの政策ベースのローンを承認しました(記事)。

 

  • アジア開発銀行は、報告書” Narrowing the Development Gap: Follow-up Monitor on the ASEAN Framework for Equitable Economic Development”を発表し、その中で質の高い公平なヘルスサービス達成のために必要不可欠な改革について論じています(記事)。

 

  • 米州開発銀行と教育グローバルパートナーシップ(GPE)はベリーズのスキルギャップを支援するための2000万ドルのプロジェクトを共同で実施しています(記事)。

 

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– シンクタンク・NGO関連 –

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  • C7は、広島サミットを総括した記者会見を行いました(記事)。

 

  • Save the Childrenは、ソマリアで洪水が発生し20万人以上が家を失ったと報告しています(記事)。

 

  • Save the Childrenは、広島サミットを受けた声明を発表しました(記事)。

 

  • Oxfamは、東アフリカ支援会議を受けた声明を発表しました(記事)。

 

  • Oxfamは、世界の武器輸出の状況を分析した報告書を出版しました(記事)

 

  • ODIは、アフガニスタンにおけるセーフティネットについての報告書を発表しました(記事)

    ●ODIは、サヘル地域における気候変動と移民についての報告書を発表しました(記事)

    ●英王立国際問題研究所(チャタムハウス)で開催された、スーダン紛争に関するパネルディスカッションの記録が公開されています(記事)

 

  • Center for Global Developmentは、“25億人への成長に向けたアフリカン・ディアスポラ・リーダーシップ:参画の機会”と題した記事を公表しました。本稿では、アフリカ大陸自由貿易圏を中心とした貿易、革新的な研究開発、投資、平和と安全保障の4つの分野で、アフリカのディアスポラが大陸の持続可能な開発を支援することができるかを考察します(記事)。

 

  • 世界経済フォーラムは、暗号資産規制に対するグローバルなアプローチの重要性を明らかにし、これらの障壁に対する潜在的な解決策を提示しています(記事)。

 

  • 5月31日、ブルッキングス・アフリカ成長イニシアティブは、ケープタウン大学の開発政策研究ユニットと共同で、報告書”Digitalization and digital skills gaps in Africa” の結果に関するディスカッションを開催します。このディスカッションでは、報告書がアフリカに与える広範な分析的意味を強調し、その後、南アフリカの具体的なケーススタディに焦点を当てます(記事)。

 

  • JETROアジア経済研究所は、6月12日、日本ASEAN友好協力50周年シンポジウム「日・ASEANの経済相互依存を振り返る-これまでとこれから」を開催します(記事)。

 

 

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2023年5月31日発行