【dev-info】 2023年4月5日号(UNICEF、東南部アフリカでコレラ感染拡大の危機が拡大していると警告 他)

2023年4月5日発行 http://www.devforum.jp/

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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス dev-info

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「宇宙飛行士に必要な資質、能力」 荘所真理 世界銀行/DevInfo編集幹事/シエラレオネ在

 

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック

  • UNCTADは、2022年下半期に国際貿易の成長速度が低下したものの、環境に配慮した物の貿易に関してはそうではないと明らかにしました(記事)。
  • UNICEFは、東南部アフリカでコレラ感染拡大の危機が拡大しており、これを食い止めるために約7億ドルの資金を必要としています(記事)。
  • Save the Childrenは、サイクロンの影響でマラウイの子供の5%に当たる約50万人が学校に行けなくなっていると報告しています(記事)。他

【3】GRIPS開発フォーラム

(1) エチオピア産業政策対話の全活動記録集

(2) GDF&JICA共催ウェビナー(3/7開催)の資料およびウェビナー動画掲載のお知らせ

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「宇宙飛行士に必要な資質、能力」 荘所真理 世界銀行/DevInfo編集幹事/シエラレオネ在

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2月末JAXA(宇宙航空研究開発機構)が新たな日本人宇宙飛行士候補者2人を選出したことがニュースになりました。候補者のひとりは同僚の諏訪理さんでした。彼は上級防災専門官として世界銀行の様々なプロジェクトに関わっており、12月に彼が出張でシエラレオネに来た際に一緒に食事をしましたが、まさかJAXAの選考プロセスのまっただ中だったとは露知らず。宇宙飛行士候補者に選ばれたと聞いた時は驚きました。諏訪さんに最初にお会いしたのは2016年。当時私は、世界銀行で働く日本人スタッフのインタビューシリーズ「世銀職員の横顔」の制作にボランティアとして関わっており、諏訪さんをインタビューする機会に恵まれました。地球科学と国際開発を両方追求したキャリアについて、また、地球科学そのものの発展に貢献したいという夢を熱く語ってくれたのを記憶しています。

 

子どもの頃に宇宙飛行士に憧れたことがある人は多いと思います。私もその一人です。宇宙飛行士に求められる資質、能力は多数あるそうですが、宇宙飛行士選抜試験では様々な課題を通してその人がどんな対応をするのか審査されるそうです。最終選抜では、候補者達が宇宙ステーションを模倣した狭い閉鎖施設で数日間共同生活し、次々に出される課題をこなしていくそうです。審査では、特に、ストレスに耐える力、柔軟に対応する力、失敗した時にリカバリーする力、チームワーク能力がみられているそうです。その中でもチームワークは重要で、リーダーシップだけでなく、他者を活かし、支えるフォロワーシップスキルが重要なのだそうです。今回選ばれた諏訪さん、そして米田さんのおふたりはこういった資質の持ち主だったのたと思います。これらのスキルは開発で仕事をする私達にとっても重要な能力といえると思います。開発途上国相手に仕事をしていると、予想しない展開に発展することもあります。正解がはっきりしない場合も多く、柔軟に対応する必要があります。チームで動くことが常でリーダーシップやフォロワーシップは必須の能力です。

 

宇宙での活躍は諏訪さん、米田さん他、素晴らしい能力を持ち合わせた宇宙飛行士の方にお任せして、私は開発のフィールドで少しでも彼らに近づけるよう人間力を高めていきたいと思います。

 

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック

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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を

|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、

└――┘こちら までご連絡ください。

 

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– 日本関連 –

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  • キルギス共和国との間で、供与限度額7億円の無償資金協力「バトケン州における道路維持管理機材及び舗装機材整備計画」に関する書簡の署名及び交換が行われました(記事)。

 

  • インド共和国との間で、総額1,268億1,400万円を限度とする円借款3件(円借款パトナ・メトロ建設計画(第一期)供与限度額986億1,200万円、円借款西ベンガル州における気候変動対策のための森林・生物多様性保全計画、供与限度額93億800万円、円借款ラジャスタン州水資源セクター生計向上計画(第二期)供与限度額188億9,400万円)に関する書簡の交換が行われました(記事)。

 

  • 国際協力機構(JICA)は、エクアドル共和国のBanco de la Producción S.A. Produbanco(Produbanco)との間で、環境配慮型産業及び中小零細事業者の金融アクセスを改善するため、5,000万米ドルを上限とする融資契約に調印しました。本事業は国際金融公社(IFC)との協調融資として実施(記事)。

 

  • JICA田中理事長が週刊エコノミストの取材を受け、そのインタビュー記事『G7は自由・民主主義の価値を示せ』が週刊エコノミストonlineに掲載されました(記事)。

 

  • JICAでは、社会人採用(2023年10月~11月、2024年1月入構)の応募を受付中です(6月14日締切)(記事

 

  • 外務省国際機関人事センター主催で4月13日オンライン国際機関就職セミナー「家族同伴で国際機関のフィールド勤務」が開催されます(記事)。

 

  • 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。

 

  • 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。

 

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– バイ・ドナー関連 –

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  • USAID長官は、ビル・ゲイツ氏と会談しました。両者は、グローバルヘルス、農業、栄養、教育などの主要な開発優先課題の進展を加速させる必要性について議論し、革新策を推進するための協力について合意しました(記事)。
  • 米国ミレニアム挑戦公社は、ガンビア、コートジボワール政府及び市民団体を招き、「民主的配当の達成に向けた複雑な道筋」をテーマに議論を実施しました(記事)。
  • カナダ政府は、マラウイ及びモザンビークで発生した熱帯性サイクロン「フレディ」に対する人道支援として800万ドルの支援を発表しました(記事)。
  • KOICAはトルコ地震の被害者に対する仮住宅の設置支援について、トルコ政府との間で討議議事録に署名しました(記事)。

    ●英国は、ポーランドとのパートナーシップを通じてウクライナ難民への支援を行います(記事)。

    ●英国と米国は、シリアにおける違法薬物取引に関与した人物を対象にした制裁措置を発表しました(記事)。

    ●AFDは、アフリカ開発銀行や欧州連合(EU)とともに、タンザニアにおける水力発電事業を支援します(記事)。

    ●スウェーデン国際開発協力庁(Sida)は、同庁の活動を評価した年次評価レポートを発表しました(記事)。

 

  • EUは、不平等や貧困、気候変動などをテーマにした優れたジャーナリズムを表彰する、第31回ロレンツォナタリ賞の応募を受け付けています(記事)。

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– 国際機関関連 –

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  • UNCTADは、2022年下半期に国際貿易の成長速度が低下したものの、環境に配慮した物の貿易に関してはそうではないと明らかにしました(記事)。
  • WHOは、新型コロナが非感染症の治療へのアクセスに与えたインパクトを分析した報告書を出版しました(記事)。

    ●UNESCOは、国連水会議2023に際して、世界の水へのアクセスを分析した年次報告書を出版しました(記事)。

    ●UNICEFは、洪水に見舞われてから半年以上が経つものの、依然として1千万人以上が清潔な水へのアクセスが無い状況に置かれていると報告しています(記事)。

  • WFPは、学校給食の状況を分析した年次報告書を出版しました(記事)。・

    ●WHOは、サイクロンに見舞われたモザンビーク・マラウイ・マダガスカルで300を超える医療施設が被害を受けたと報告しています(記事)。

    ●FAOは、シリア・トルコを襲った地震により、トルコの農業生産の20%異常が被害を受けており作付け前の支援を急ぐ必要があると報告しています(記事)。

    ●UNICEFは、東南部アフリカでコレラ感染拡大の危機が拡大しており、これを食い止めるために約1.7億ドルの資金を必要としています(記事)。

    ●UNICEFは、8年間紛争が続いているイエメンで、1100万人の子供達が人道支援を必要としていると報告しています(記事)。

    ●WFPは、混乱が続くハイチで、約500万人が食料支援を必要としていると報告しています(記事)。

 

  • 国際通貨基金(IMF)は、国際金融安定性報告書を発表しました(記事)。

 

  • 世界銀行は、最新報告書「Falling Long-Term Growth Prospects(悪化する長期成長見通し:傾向、予想、政策)」の中で、世界経済の「制限速度」、すなわちインフレを引き起こすことなく長期持続可能な最大成長率が2030年までにこの30年間の最低水準まで低下する見通しとなったと論じています。そのため、生産性向上と労働力の供給拡大、投資と貿易の増加、サービス部門の潜在成長力押上げを促す野心的な政策が必要になると指摘しています(記事)。

 

  • 世界銀行はモロッコの財政デジタル包摂向上を目的とした4億5000万ドルの財政支援を承認しました(記事)。

 

  • アフリカ連合主催で栄養に関するハイレベル会議がレソトで開催されました(記事)。

 

  • アフリカ開発銀行は、ガーナの電力普及支援を目的とした2800万ドルの融資を承認しました(記事)。

 

  • 米州開発銀行は、アルゼンチンの脆弱な人々の住宅改善支援を目的とした1億5000万ドルの融資を承認しました(記事)。

 

  • アジア開発銀行は、「Asian Development Outlook(アジア経済見通し2023年4月版)」を発表し、アジア・太平洋地域の2023年と2024年の経済成長率は4.8%となり、2022年の4.2%から改善すると予測しています(記事)。

 

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– シンクタンク・NGO関連 –

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  • Plan Internationalは、G7サミット参加国に対して、食糧問題に真剣に取り組むように訴えています(記事)。

    ●Plan Internationalは、IPCCが出版した報告書を受けて、環境問題に対する声明を発表しています(記事)。

    ●Oxfamは、EUが合意にかかっているthe Renewable Energy Directiveに対して声明を発表しています(記事)。

    ●Save the Childrenは、サイクロンの影響でマラウイの子供の5%に当たる約50万人が学校に行けなくなっていると報告しています(記事)。

 

  • 世界経済フォーラムは、脱炭素化が困難な産業の脱炭素化を目指す国際的な連合体「First Movers Coalition(FMC)」の拡大について発表しました。ルフトハンザ・グループは、持続可能な航空燃料(SAF)の開発を推進する最初の欧州航空会社グループとして、FMCの航空部門に参加します(記事)。

 

  • ブルッキングス研究所は、アフリカ財務大臣や中央銀行総裁によるハイレベルパネルを開催し、信用格付けがアフリカの開発金融コストに与える影響について議論します(記事)。

 

  • アジア経済研究所は、2024年度採用、研究職員(地域研究【政治・経済・法律】)の募集要項を公表しました(記事)。

 

  • ODIは、モンゴルの経済状況についての報告書を発表しました(記事)。

    ●英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家は、ナイジェリアの選挙についてコメントしています(記事)。

    ●同じくチャタムハウスの専門家は、生物多様性の重要性とその危機について解説しています(記事)。

 

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【3】GRIPS開発フォーラム

(1) エチオピア産業政策対話の全活動記録集

(2) GDF&JICA共催ウェビナー(3/7開催)の資料およびウェビナー動画掲載のお知らせ

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(1) エチオピア産業政策対話の全活動記録集

GRIPS開発フォーラム(GDF)とJICAは共同で、2008~2023年の15年にわたり、日本とエチオピア両政府を巻き込んで継続的な政策対話を実施してきました。この枠組の中でカイゼン導入、アジア各国の政策紹介、輸出振興、投資促進、工業団地運営、日系企業誘致、JETRO事務所開設、生産性・FDI政策研究、自動車・アパレルの議論などが進行しました。今次第3フェーズを終了するにあたり、実施したすべてのエチオピア訪問(38回)と第3国調査(18回)の記録を4つの冊子に取りまとめました。

第3フェーズ(新刊):
第3巻:https://gdforum.sakura.ne.jp/ja/pdf23/IPDphase3/ET_Record3.pdf
第4巻:https://gdforum.sakura.ne.jp/ja/pdf23/IPDphase3/ET_Record4.pdf

第1、2フェーズ(2016年既刊):
第1巻:https://gdforum.sakura.ne.jp/ja/pdf16/Records_VolI.pdf
第2巻:https://gdforum.sakura.ne.jp/ja/pdf16/Records_VolII.pdf

(2) GDF&JICA共催ウェビナー(3/7開催)の資料およびウェビナー動画掲載のお知らせ

3月7日、GDFは、「エチオピア産業政策対話:14年間の経験と残された課題」をテーマに、JICAとの共催でZoomウェビナーを開催しました。本ウェビナーでは、先立って行われたセミ・クローズドの国際ウェビナーの議論も踏まえつつ、14年半にわたる産業政策対話の成果と、残された課題につき、参加者の皆様の意見も取り入れながら議論しました。

プログラム、講演資料、ウェビナー動画はイベントページをご覧ください。
https://gdforum.sakura.ne.jp/ja/newpage2008/event.htm

エチオピア(アフリカ)の産業政策や政策対話に知見や関心のある海外の研究者やドナーを招待し、3月3日にセミ・クローズド形式で国際ウェビナーを開催しました。英文版資料も以下よりご覧いただけます。

英文版発表資料
https://gdforum.sakura.ne.jp/ja/pdf23/ET-JP_industrial_policy_dialogue_E5.pdf

GRIPS開発フォーラム・飯塚
https://gdforum.sakura.ne.jp/ja/index.htm

 

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ワシントンDC開発フォーラム「情報サービス(dev-info)」と

「メーリングリスト(devforum)」

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2023年4月5日発行