2023年8月8日発行
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「日本人にもっとクリティカルシンキングを」真鍋希代嗣(京都大学 特任准教授/東京在住)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
閣僚会議において、2025年に開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が横浜で開催されることが承認されました(記事)
国連は、ニジェールのクーデターに関して、地域一帯の治安の悪化につながる恐れがあると警告しています(記事) 他
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
タイトル:日本人にもっとクリティカルシンキングを
執筆:真鍋希代嗣(京都大学 特任准教授/東京在住)
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友人に誘われて、社会人向けの勉強会に足を運びました。実際に参加してみてすぐに気づいたのは、それは情報弱者の方々をターゲットとしたセミナーでした。テーマに関する具体的な内容は非常に薄く、根拠の曖昧な精神論のような話が続き、私はうんざりしてしまいました。
驚いたのは、多くの参加者が、その怪しげなセミナーの主催者が提供する有料プログラムにその場で入会をされていたことです。セミナー後の懇親会で彼らと話す機会がありましたが、盲目的にセミナーの内容を信じられている印象でした。そこそこの社会経験を重ねられたであろう年齢の方々でしたので、なかなかショッキングな光景でした。
何かの主張に対し、そのまま鵜呑みにせずに、自分で吟味する力はクリティカルシンキングと呼ばれ、訓練によって身に付けられるものです。私は以前、国内の中学校で、そこの先生方と生徒にクリティカルシンキングについて講義をしたことがあります。クリティカルシンキングの意識が芽生えるだけでも全然違いますので、一回の講義だけでも生徒らのその後の様子に随分と変化があったそうです。
米国の学校では「論理は適切か?根拠は何か?」という視点で本や記事を読むことが求められ、物事を批判的に判断しようとする意識がつくようです。しかし日本の学校教育ではこのような訓練は欠けているのが現実です。ソーシャルメディアやAIの発展に伴い、ますます情報を適切に判断する能力が求められる時代において、特に若い世代にはこの能力をもっと学んでもらいたと思いますし、私も自分にできる形で貢献できればと思います。時間があれば考え方を本にでもまとめてみたいものです。
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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
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– 日本関連 –
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- 閣僚会議において、2025年に開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が横浜で開催されることが承認されました(記事)。
- 国際協力機構(JICA)は、タジキスタン国経済発展・貿易省との間でJICA海外協力隊派遣取極を締結しました(記事)。
- 同じくJICAは、アメリカ合衆国国際開発庁(USAID)及び韓国国際協力団(KOICA)、とガーナ共和国北部5州(アッパーウエスト州、アッパーイースト州、ノースイースト州、サバンナ州、ノーザン州)における保健分野の援助協調に関する協力覚書を締結しました(記事)。
- 同じくJICAは、フィリピン共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「マニラ大首都圏鉄道開発マスタープラン策定プロジェクト」に関する討議議事録に署名しました(記事)。
- スリランカ民主社会主義共和国との間で、2億8,400万円を供与限度額とする無償資金協力「人材育成奨学計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- フィリピン共和国との間で、300億円を限度とする災害復旧支援のための円借款、及び11億円を限度とする衛星通信システム関連機材の供与のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
- セネガル共和国との間で、供与額2.5億円の無償資金協力「食糧援助」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- コロンビア共和国との間で、ベネズエラ避難民登録のための我が国企業の製品を含むシステム関連機材を供与する供与額5億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
- 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
- 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
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– バイ・ドナー関連 –
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- USAIDはモンゴルの繁栄、安全、強靭化を推進するために約1,300万ドルを拠出すると発表しました(記事)。
- 米国ミレニアム挑戦公社はニジェールの現状についてのステートメントを発出しました(記事)。
- カナダ政府は、タンザニアの食糧安全保障、教育、保健、性と生殖に関する健康と権利を支援する2億ドル超の資金拠出を発表しました(記事)。
- 韓国政府は、日本及び米国との間でガーナのユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関するパートナーシップを公表しました(記事)。
- 英国のクレバリー外務・英連邦・開発相は、ガーナ、ナイジェリア、ザンビアを訪問しました。ガーナでは、政府系開発金融ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメント(BII)による4000万ポンドの投資などを発表しています(記事)。
- 英国は、世界における女子教育についてのポリシーペーパーを発表しました(記事)。
- パリ五輪開幕まで一年となり、AFDは、スポーツと開発分野における活動をHPで紹介しています(記事)。
- 欧州委員会(EC)のフォン・デア・ライエン委員長は、フィリピンを訪問し、4億6600万ユーロ規模のグリーンエコノミーイニシアチブを発表しました(記事)。
- 欧州連合(EU)、EIB、AFDらは、パプアニューギニアにおける気候変動対策や生物多様性保全のため、3350万ユーロの支援を行います(記事)。
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– 国際機関関連 –
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- WMOは、気候変動の最新状況を分析したState of the Climateを出版しました(記事)。
- UNICEFは、気候変動が子供たちに与えるインパクトについて分析した報告書を出版しました(記事)。
- ユネスコは、教育における科学技術の活用を分析した報告書を出版しました(記事)。
- 国連機関は、南スーダンへの支援を強化しないと飢餓が発生する恐れが高いと警告しています(記事)。
- 国連は、ニジェールのクーデターに関して、地域一帯の治安の悪化につながる恐れがあると警告しています(記事)。
- 国連は、スーダンで1400万人の子供が支援を必要としていると報告しています(記事)。
- 国際通貨基金(IMF)は、世界経済成長率は2022年の推計3.5%から減速して、2023年と2024年はともに3.0%となる見込みで、歴史的な水準に照らすと依然低迷したままであると論じ、インフレに対処するための中央銀行による政策金利の引き上げが引き続き経済活動の重しとなっていると指摘しています(記事)。
- OECDは、パンデミック2年目にあたる2021年の歳入データをまとめた2023年版”Revenue Statistics in Asia and the Pacific 2023(アジア太平洋諸国の歳入統計)”を発表しました。その中で、2021年のアジア太平洋地域の大部分の国で、税収対GDP比が新型コロナウイルスのパンデミック以前の水準を依然下回っていることが明らかになりました(記事)。
- 世界銀行はタンザニアでアフリカ42カ国の首脳陣が参加した人的資本に関するハイレベル会議を開催しました(記事)。
- 世界銀行は、ラテンアメリカ地域の先住民に関するレポート”Indigenous Latin America in the Twenty-First Century”を発表しました。先住民の43パーセントが貧困層に属していると指摘しています(記事)。
- アジア開発銀行は、バングラデシュの技術、競争力向上を支援するための3億ドルの融資プロジェクトを承認しました(記事)。
- 米州開発銀行は、アルゼンチンの農業産業生産の向上を目的とした1億ドルの融資プロジェクトを承認しました(記事)。
- カーボベルデ政府とアフリカ開発銀行は、起業家支援を目的とした1400万ユーロの融資プロジェクトを締結しました(記事)。
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– シンクタンク・NGO関連 –
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- 平和をテーマにHAPIC2023学生アイデアコンテストが開催されています、締切は10月15日(記事)。
- Save the Childrenは、異常気象によりアジアでデング熱感染の恐れが拡大していると警告しています(記事)。
- アジア財団CEOは、8月2日から4日までインドで開催される「女性のエンパワーメントに関するG20閣僚会議」で講演し、女性がリーダーとして果たすことのできる重要な役割を提唱しました(記事)。
- JETROアジア経済研究所は、空間経済学および都市経済学のための応用計量経済学に関する「IDEスクール2023」参加者募集要項(2023年10月23日~10月24日)を公表しました(記事)。
- ODIは、ベトナムにおける移民労働者の人身売買と労働搾取についての報告書を発表しました(記事)。
- ODIは、マリ、南スーダン、ソマリアにおける気候変動と飢饉についての分析を発表しました(記事)。
- 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家が、ロシア・アフリカサミットについてコメントしています(記事)。
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2023年8月8日発行
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