【dev-info】 2023年11月16日号(米国ホノルルにて日米韓開発・人道支援政策対話を開催 他)

2023年11月16日発行 http://www.devforum.jp/
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス dev-info
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
「専門性」を再考する( 田中幸夫 / 世界銀行・ワシントンDC在住 )

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
• 米国ホノルルにおいて日米韓開発・人道支援政策対話が開催され、三か国の開発協力を促進することにより「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」へのコミットメントを再確認しました。また、インド太平洋地域やその他の地域で、農業、起業、保健、女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security [WPS])を含むジェンダー、電力等の分野での開発協力において既に連携があることを確認し、更に連携を広げていくことで一致しました(記事)。
• OCHAは、ミャンマーで紛争が激化し4万8千人が避難を余儀なくされていると報告しています(記事)。
• UNDPとESCWAは、ハマスとイスラエルの紛争が長引くと、GDPが8.4%減少し貧困人口が増加する事が予想されると分析した報告書を出版しました(記事)。 他
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
「専門性」を再考する
( 田中幸夫 / 世界銀行・ワシントンDC在住 )
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専門性。この業界に携わる人なら誰もが一度はぶつかる問題ではないでしょうか。国際協力の仕事が保健や農業といったセクター割りで回っている中、そのセクターについてどれくらい詳しいかはその人の能力に直結すると考えられています。そして多くの人が自身の専門知識の不足に悩み、その克服のため日夜努力を重ねています。

私自身もその一人です。博士号を有し大学教員経験もあり、周囲からは「専門性の高い人」と目されがちでしたが、実際にJICAで仕事を始めてみると知らないことだらけ。研究者時代に培った専門知識など、JICA職員として手掛ける幅広い業務のごく一部にしか役に立たず、残りの大部分は業務を通してあるいは通勤の時間などを使って必死に学びました。しかし、どれだけ学んでも未知の分野は次々と現れ、それについて自分より詳しい人も沢山いて、「いつになったら一人前になれるのだろう」という焦燥感に駆られました。その後世界銀行に転職したのも「水分野の専門性を深めたいから」というのが大きな動機です。同様の理由で転職した同業者を私は何人も知っています。

そんな経緯で入った世界銀行でしたが、そこで働くうちに「専門性」に対する考え方が少しずつ変わってきました。職場には業界のスターやオピニオンリーダー的な人もいて、最初は圧倒されたものの、「文献の読み込みだけでいえば自分やJICA時代の同僚の方がよく勉強しているのでは?」と感じることもありました。しかし、彼らの強みは脳内の知識ではなく、世界中・業界中に張り巡らされた「人脈」にあったのです。何かわからないことがあれば相談・協力できる専門家ネットワークを有することで、彼らは個人レベルでは成し得ない付加価値を生んでいます。業界の最新の情報も、彼らは目(文字)からではなく耳を通して得ているのです。「人を知ることの大切さ」はビジネスの世界ではよく言われますが、日本の国際協力業界ではあまり聞いたことがなく、新鮮な発見でした。

もちろん、人脈だけで仕事をするのは不可能で、知識と人脈のバランスの取れた構築が不可欠です。ただ、我々日本人はコツコツ勉強をするのは比較的得意(そして人付き合いは国際的に見ると不得意)であるが故に、専門性強化の手段としてお勉強に走りがちで、結果、勉強だけでは埋められないもの(人脈的専門性)の不足に悩む傾向にあるように思います。個人的に勉強もして、頼れる人脈も持つと百人力で、かつて抱いていた焦燥感もずいぶん和らぎました。

勉強の仕方にコツがあるのと同様、ネットワーキングにもコツがあり、こればかりは場数を踏むしかありません(勉強と違うのはネットワーキングには多少の勇気が必要という点です)。そしてそれはわざわざ転職しなくてもできることかもしれません。例えば私はJICA勤務時代、他ドナーの人とは業務上最低限の話しかせず、彼らとの個人的関係の構築を怠っていました。今振り返ると専門家同士の会合に出たり、個別にコーヒーにでも誘ったりしたら様々な情報交換ができたのだろうなと思います。

「専門性」に悩む皆さん、時には「書を捨てて町へ出て」みてはいかがでしょうか?

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘こちら までご連絡ください。

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– 日本関連 –
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●日・ラオス外相会談に引き続き、ラオス人民民主共和国との間で、41.71億円を供与限度額とする一般文化無償資金協力「チャオ・アヌウォン・スタジアム改築計画」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。

●日・フィリピン首脳会談に続き、フィリピン共和国との間で、9.57億円を限度とする災害復旧用重機の供与のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。

●米国ホノルルにおいて日米韓開発・人道支援政策対話が開催され、日本側から外務省、JICA、JBICから関係者が出席しました。三か国は、キャンプデービッドにおける日米韓首脳会合の成果の促進と実現のため、三か国の開発協力を促進することにより「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」へのコミットメントを再確認しました。また、インド太平洋地域やその他の地域で、農業、起業、保健、女性・平和・安全保障(Women, Peace and Security [WPS])を含むジェンダー、電力等の分野での開発協力において既に連携があることを確認し、更に連携を広げていくことで一致しました(記事)。

●国際協力機構(JICA)は、フィリピン政府との間で、開発計画調査型技術協力「メトロダバオ圏包括的・持続的都市開発マスタープラン策定プロジェクト」に関する討議議事録に署名しました(記事)。

●外務省国際機関人事センター主催で、オンライン国際機関就職セミナー「民間企業の経験を活かして国際機関で働く!」が11月21日に開催されます(記事)。

●外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。

●開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。

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– バイ・ドナー関連 –
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● 英国のキャメロン元首相が、外務・英連邦・開発大臣に就任しました。首相経験者が大臣になるのは53年ぶりです(記事)。

● パリ五輪を翌年に控え、スポーツと開発をテーマにしたサミットがダカールで開催され、AFDのリウ総裁が参加しました(記事)。

● AFDの支援により、アフリカで初となるオリンピックアカデミーがモーリシャスで設立されました(記事)。

● GIZの支援により、ルワンダでAIを活用した医療相談チャットサービスが開始されました(記事)。

● 欧州連合(EU)は、太平洋島嶼国の気候変動対策に900万ユーロの支援を行います(記事)。

●米国はUSAIDを通じて500万ドルを拠出し、複合リスク分析基金(Complex Risk Analytics Fund)を通じて、危機の影響を受ける環境における複合リスクの予測、予防、対応を強化し、緊急事態に迅速に対応するためのデータ活用を支援します(記事)。
●米国ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション(MCC)と米国アフリカ開発財団(USADF)は、アフリカで成功を収めている女性起業家と女性主導の中小企業(W-SME)の成長を促進するための覚書に調印しました。この協力は、W-SMEが情報やデータにアクセスし、デジタルツールを活用し、ビジネスの持続可能性、競争力、回復力にとって極めて重要なビジネスデータ分析を実行できるようにするものです(記事)。
●カナダ政府は、2023年パリ和平フォーラムのマージンで開催された、ガザの民間人のための国際人道会議に参加し、すでに発表されている6,000万ドルの資金から2,000万ドルを、ガザ、ヨルダン川西岸および近隣地域の緊急ニーズに対応するための人道支援に充てることを発表しました(記事)。

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– 国際機関関連 –
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●FAOは、不健康な食事や環境への影響など食品産業の隠れたコストが毎年10兆ドル程度発生していると分析した報告書を出版しました(記事)。

●OCHAは、ミャンマーで紛争が激化し4万8千人が避難を余儀なくされていると報告しています(記事)。

●UNDPとESCWAは、ハマスとイスラエルの紛争が長引くと、GDPが8.4%減少し貧困人口が増加する事が予想されると分析した報告書を出版しました(記事)。

●WMOは、2023年は史上最も暑い年になりそうだがエルニーニョでこれがさらに悪化する恐れがあると予想しています(記事)。

●UNEPは、国際目標に反して化石燃料の使用量が増加していることをまとめた報告書を出版しました(記事)。

●UNHCRは、スーダンで450万人が国内避難民となり120万人が難民となっていると報告しています(記事)。

● ECDは、新報告書「OECDスキルアウトルック2023(OECD Skills Outlook 2023)」を公表しました。その中で、各国は正規の教育制度を強化する取り組みを大幅に拡充し、生涯学習のためのスキル向上・リスキリングの機会を改善して、労働市場のニーズにより有効に対応できるようにする必要があると指摘しています(記事)。

●OECDは、新報告書「OECD図表でみる医療2023」を発表しました(記事)。

●国際通貨基金(IMF)は、日本に関する報告書の中で、日本の女性の労働参加率は、過去10年で大幅に上昇し、慢性的な労働力不足を緩和し、家計の収入を押し上げ、成長の原動力となったが、近年、女性の労働参加率の上昇傾向が鈍化しており、じきに頭打ちになる可能性が高いと指摘しています。新たな成長の原動力として、科学技術分野で活躍する女性を増やし日本経済押し上げが大事であると論じています(記事)。

●世界銀行のHP上に西尾昭彦副総裁(開発金融担当)の日本人向けのインタビューが掲載されています(記事)。

●アジア開発銀行と地球環境ファシリティ(GEF)は、アジア大洋州の食糧保障と自然資本を支援するためのNatural Capital Fund (NCF)を共同で立ち上げました(記事)。

●アフリカ開発銀行とトーゴ政府は共同で2021-2026国別戦略文書の実施を家族させることで合意しました(記事)。

●米国政府は米州開発銀行との間で、ラテンアメリカ、カリブ海地域の支援のパートナーシップ強化に合意しました(記事)。

●米州開発銀行は、新報告書” Rethinking Urban Migration: Policy Options for Cities in Latin America and the Caribbean”を発表し。その中で、ラテンアメリカ、カリブ海地域の都市移民について考察しています(記事)。

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– シンクタンク・NGO関連 –
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● 英ODIは、適応策やセクター別計画における、国境を越えた気候リスク管理に関する報告書を発表しました(記事)。

● 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)で開催された、ガザ地区における人道危機についてのイベントの記録が公開されています(記事)。

●Save the Childrenは、ハリケーンに見舞われたメキシコで水と食料の問題が深刻化し、18万5千人の子供が学校へ行けていないと報告しています(記事)。

●Save the Childrenは、コンゴ民主共和国で紛争により全ての子供の5%以上が避難を余儀なくされていると報告しています(記事)。
●世界経済フォーラムは、都市サービスを向上させ、都市住民と訪問者の生活の質を高めるために、都市がどのように新技術を導入し、データを安全に共有できるかを強調した報告書と2つの新しいモデル政策を発表しました(記事)。
●アジア財団及びスタンフォード人間中心AI研究所(HAI)は、政府や市民社会がAIを理解し、効果的に関与するのを支援するため、アジア太平洋地域の関係者がこの技術の社会的影響を効果的にナビゲートするために必要な洞察を支援する新しいプログラムを開始しました(記事)。
●日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団は、11月30日、オンラインセミナー「COP28での太平洋島嶼国~揺れる交渉と民意の行方」を開催します(記事)。
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2023年11月16日発行


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