2024年2月8日発行 http://www.devforum.jp/
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス dev-info
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
「日本社会開発基金(JSDF)による連携の可能性」( 大森功一 / 世界銀行東京事務所)
【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
• Peace & Democracyフォーラム 2023 ~沖縄から平和と国際協力を考えるが3月3日に開催されます(記事)。
• ザンビア共和国との間で、供与限度額を16.44億円とする無償資金協力「STEM(科学、技術、工学及び数学)教育強化計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
• UNCTADは、ガザの被害状況を分析したレポートを出版し、既にGDPが24%程度縮小し、回復には長い年月を必要とすると報告しています(記事)。 他
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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り
「日本社会開発基金(JSDF)による連携の可能性」
( 大森功一 / 世界銀行東京事務所)
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先日、世界銀行の日本社会開発基金(Japan Social Development Fund: JSDF)が支援するプロジェクトを見に行くため、ベトナムとカンボジアを訪問する機会を得ました。ベトナムでは、シャプラニール、ムラのミライの方々にも同行していただき、様々な世代が一緒になって高齢者を支援するIntergenerational Self-Help Clubs(ISHCs)をハノイから車で南に3時間程度のタインホアで運営しているHelpAge Vietnam の活動の様子を見学しました。またカンボジアでは、プノンペン郊外の縫製工場で働く人たち向けのチャイルドケアセンターを運営するPlanète Enfants & Développementの活動の様子を見学しました。
JSDFは日本政府とのパートナーシップにより2000年に設立した信託基金で、途上国で最も脆弱な人々を直接支援する活動に対してグラントを提供します。90年代末のアジア経済危機への対応の一つとして構想された背景から、設立当初はアジア向けの要素が強かったですが、現在は対象範囲はグローバルです。また当初はグラントの提供先は主に政府でしたが、現在はNGOが直接グラントの実施団体となることが可能で、今回訪問したベトナムとカンボジアのプロジェクトはいずれも、NGOが実施団体になっています。
https://www.worldbank.org/en/programs/japan-social-development-fund
世界銀行は途上国政府に対して融資・助言・技術協力を提供する国際機関であり、JSDFのようにNGOに対して直接グラントを提供できる仕組みは稀です。しかし、世界銀行のタスクチームリーダー(各種のプロジェクトを担当する世銀スタッフのこと)と綿密に打ち合わせる必要があること、内部での手続きが通常の融資案件と大差ないことなどの要因も重なって、日本のNGOの皆様に実際にご活用いただいた事例はこれまで多くありませんでした。
実はJSDF設立年は私が世界銀行に入行した年と同じで、私の入行時の主なアサインメントは日本のNGOの皆様との関係構築を図ることでした。なので、今回のJSDFプロジェクトへの訪問は私自身の過去の活動の振り返りを含めて、とても感慨深い機会でした。そしてあらためて、日本のNGOの皆様にもJSDFによる連携に参画していただきたいとの思いを強くしたところです。
3月下旬には、JSDF運営担当チームが来日し、JSDFに関する説明会や活動紹介セミナーをハイブリッド形式で実施する予定です。詳細が決まりましたら、世界銀行東京事務所ウエブサイトに掲載します。
https://www.worldbank.org/ja/country/japan
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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘こちら までご連絡ください。
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– 日本関連 –
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●ザンビア共和国との間で、供与限度額を16.44億円とする無償資金協力「STEM(科学、技術、工学及び数学)教育強化計画」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
●フィリピン共和国に対する無償資金協力「バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域における地元で収穫された産品を使った“農場から学校へ”給食プログラム推進計画(WFP連携)」に関する書簡の署名・交換(児童の就学率及び栄養不足を改善)が行われました(記事)。
●世界食糧計画(WFP)ギニアビサウ事務所との間で、供与額2億円の無償資金協力「食糧援助」に関する書簡の交換が行われました(記事)。
●国際協力機構(JICA)は、ナイジェリア連邦共和国のAccess Bank Plc(Access Bank)との間で、ナイジェリアにおける気候変動対策に貢献するため、7,500万米ドルを上限とする融資契約に調印し、2024年2月5日に調印式典を行いました。本事業は米国国際開発金融公社(USDFC)及びシティグループとの協調融資として実施します(記事)。
●2024年度JPO派遣候補者選考試験の応募を受け付けています(3月4日まで)(記事)。
●外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
●開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
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– バイ・ドナー関連 –
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●USAID長官は、ケニア首相兼外務担当大臣と会談し、米国とケニアの強固な関係、ケニア国民を支援するUSAIDのパートナーシップについて議論しました(記事)。
●米国ミレニアム挑戦公社(MCC)CEOは、MCCとフィリピンのパートナーシップを構築させ、新たな協力関係を築くための4日間のフィリピン訪問を終えました(記事)。
●豪州政府は東ティモール警察開発プログラムに3500万ドルの拠出を行います(記事)。
●英国は、エチオピアの人道危機に対して新たに1億ポンドの支援を行うことを発表しました(記事)。
●AFDとパリ政治学院は、ラテンアメリカ・カリブ海地域の革新的なSDGsプロジェクトを “Atlas of Latin America and the Caribbean”として取りまとめ、紹介しています(記事、記事)。
●AFDは、2023年2月に発生したトルコ・シリア地震に対するAFDの支援内容や現状をHPで紹介しています(記事)。
●GIZは、チュニジアにおけるデジタル・ワクチン接種プラットフォームを支援しています(記事)。
●欧州委員会(EC)とASEANは、高等教育や民間航空、知財などの分野におけるパートナーシップを強化します(記事)。
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– 国際機関関連 –
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●国連などは、紛争の影響下にあるイエメンの1820万人を支援するために27億ドルのアピールを発表しました(記事)。
●WFPは、スーダンで1800万人が急性の飢餓状態にあり支援を必要としていると訴えています(記事)。
●ユニセフは、治安が極度に悪化しているハイチで17万人の子供が避難を余儀なくされていると報告しています(記事)。
●国連などは、複合危機に見舞われているソマリアの520万人の支援のために16億ドルのアピールを発表しました(記事)。
●UNCTADは、ガザの被害状況を分析したレポートを出版し、既にGDPが24%程度縮小し、回復には長い年月を必要とすると報告しています(記事)。
●国連などは、洪水に見舞われたリビアの経済被害は18億ドルに上ると報告しています(記事)。
●国際通貨基金は、世界経済見通し(改訂版)を発表しました。世界経済成長へのリスクは概ね均衡がとれており、ソフトランディング(軟着陸)の可能性が見えてきたと指摘しています(記事)。
●OECDの最新の経済見通し中間報告 (Interim Economic Outlook)によると、世界の経済成長は持ちこたえているものの、そのペースは国・地域間で均一ではなく、インフレ率は依然として目標値を上回っています(記事)。
●世界銀行は、キルギス共和国の高等教育支援を目的とした2500万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。
●アフリカ開発銀行は、ケニアの人的資源開発等の促進を目的とした国別戦略文書を発表しました(記事)。
●アフリカ開発銀行は、コモロ、南スーダン、コンゴ民主共和国、セイシェルの国別ジェンダープロファイルを発表しました(記事)
●米州開発銀行とJICAは経済、社会、気候変動イニシアティブの分野で協働していくための覚書に調印しました(記事)。
●米州開発銀行は、バルバドスの持続可能な発展を支援するための1億ドルの政策ローンを承認しました(記事)。
●アジア開発銀行は、気候変動支援のためのコミットメントを強化し、去年10億ドルの支援を行いました(記事)。
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– シンクタンク・NGO関連 –
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● Peace & Democracyフォーラム 2023 ~沖縄から平和と国際協力を考えるが3月3日に開催されます(記事)。
●Oxfamなどの15の人道支援団体は、紛争を鎮静化させるためにイスラエルとパレスチナへの武器支援を止めるように訴えています(記事)。
●Oxfamなどの20のNGOは、UNRWAへの資金拠出停止を見直すように訴えています(記事)。
●Save the Childrenは、ザンビアでコレラが大流行し、これまでに500人が死亡し、学校も閉鎖されていると報告しています(記事)。
●世界経済フォーラムはダボス会議2024に関するハイライトを掲載しています(記事)。
●JETROアジア経済研究所は、3月6日、国際シンポジウム『グローバルサウス』の新興国と世界秩序の再編を開催します(記事)。
●アジア財団は、2024年度アジア財団フェローを発表しました。2024年度アジア財団開発フェローは、数千人の応募者の中から選考を経て決定されました。 2024年度フェローに選ばれたのは、ブータン、カンボジア、フィジー、インドネシア、韓国、マレーシア、モルディブ、モンゴル、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイの12名です(記事)。
●英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家は、2月8日に実施されるパキスタンの選挙や同国の民主主義についてコメントしています(記事、記事)。
●英ODIは、ロシア・ウクライナ戦争のアフリカへの影響について分析した報告書を発表しました(記事)。
●英ODIは、ソマリアにおける安全保障と気候変動についての報告書を発表しました(記事)。
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