【dev-info】2024年1月23日号(第54回ダボス会議が開催 他​)

2024年1月23日発行
http://www.devforum.jp/
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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス
-(dev-info)-
皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。
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【1】ワシントンDC開発フォーラム便り
「開発と旅行」表将幸(経済協力開発機構、パリ在住)

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック
ILOは、World Employment and Social Outlookを出版し、2024年に世界の失業率は上昇すると予想しています(記事)
世界経済フォーラムは、第54回ダボス会議を開催しました。世界中から3,000人の政策立案者、経営者、国際機関や市民団体、学者、イノベーター等が一堂に会し、信頼の基盤を再構築し、新たなアイデアを生み出し、人々、経済、地球の成果を向上させるパートナーシップを構築するための議論を行いました(記事) 他

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

タイトル:開発と旅行
執筆:表将幸(経済協力開発機構、パリ在住)
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2024年が始まって早くも3週間が過ぎましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?コロナ危機で制限されていた国内・海外旅行を徐々に再開されている皆様も多いかと思います。
訪問国を登録できるVoyageXというアプリの定義によると、私がこれまで訪れたのは全世界で68カ国だそうです。地域別の内訳で見てみると、ヨーロッパが43/46カ国、南米8/12カ国、アジア11/48カ国、北中米2/23カ国、アフリカ4/54カ国、オセアニア0/14カ国と、私の海外旅行歴は見事にヨーロッパと南米に集中していました。
昨年も触れた記憶がありますが、海外旅行のしやすさはヨーロッパに住む醍醐味の1つだと思っています。ヨーロッパは昨年8月にノルウェーを訪れたことで、マイクロ国家とされるアンドーラ、サンマリノ、リヒテンシュタイン、モナコ等も含めて43カ国。現在訪問が難しい3カ国(ウクライナ、ベラルーシ、ロシア)を除くと、ヨーロッパ在住歴7年目にしてヨーロッパを一通り周ることができました。
旅行は新たな価値観の創出のみでなく、開発への知見を深める上でも貴重な経験だと思っています。最近はヨーロッパを中心に回っていますが、以前は南米ペルーの全国26県を制覇するという、ペルー人に言わせてもかなり特異なことをしていました。ペルーの面積は世界で20位、日本の3.4倍とかなり大きい国です。その広大なペルーの国土は、中央をアンデス山脈が縦断し、その西側は太平洋岸部、東側はアマゾン(意外かもしれませんが、ペルーのアマゾン・熱帯雨林の面積は国土の60%を占め、ブラジル、コンゴ、インドネシアに次いで世界4位です)という複雑かつ豊富な地形を有しています。この地理的要因が海岸部、アンデス、アマゾンに住む国民の国家統合を難しくしていると言われているのですが、実際に全国を訪問することでその多様性と制約を肌で実感することができました。
また、各県の開発指標と実際の開発度合いを比較することも興味深いです。ペルーでは2000年台に中南米随一の経済成長を可能とした鉱山資源の収入を、各県における鉱山活動の度合いに応じて、中央政府から地方の各県に分配するcanon minero(カノン・ミネロ)という財政移転制度があります。この制度が鉱山活動が活発な県とそうでない県(havesとhave nots)の経済社会開発に大きな格差をもたらしているという議論があったのですが、全国を訪れることでデータのみからではわからないカノンの影響をより実感することができました。
ペルー全国制覇歴がある一方で、母国である肝心の日本は47都道府県中13と惨敗状態です。自らを反面教師として、再度日本に定住した際には日本国内の多くの未踏地を巡ることを密かに夢見ています。

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック
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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を
|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、
└――┘devinfo.mailmagazine@gmail.com までご連絡ください
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– 日本関連 –
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● 3月12、13日の2日間、財務省は国際シンポジウム「複雑化するグローバル課題に直面する世界経済と政策協調」を開催します。事前登録制で参加希望者の申し込みを受け付けています(記事)。
● 国際連合児童基金(UNICEF)パキスタン代表との間で、パキスタンに対する無償資金協力「ポリオ感染拡大防止・撲滅計画(UNICEF連携)」(供与額5.16億円)に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
● ホンジュラス共和国との間で、円借款1件(「持続可能な開発に向けた透明性及び健全性向上プログラム・ローン」供与限度額133.90億円)及び無償資金協力1件(「国道六号線橋梁建設計画」供与限度額28.63億円)に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。
● 国際協力機構(JICA)は、世界保健機関(WHO)との間で、アフガニスタンに対する「中核病院における感染症対応能力強化計画(WHO連携)」を対象として10億3,200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結しました(記事)。
● 外務省国際機関人事センター主催のJPO派遣候補者選考試験説明会が1月25日19時から開催されます(記事)。
● 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。
● 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。
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– バイ・ドナー関連 –
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● 英国のキャメロン外相は、英国およびイスラエルの新聞に寄稿し、ガザへの人道支援の実現に向けイスラエルに行動を呼びかけています(記事)。
● AFDは、AIと規制、人権をテーマにしたイベントを1月30日にパリで開催します(記事)。
● 欧州連合(EU)と中央アジアの輸送回廊の実現に向けた投資家フォーラムが、1月29, 30日にブリュッセルで開催されます(記事)。
● スウェーデン国際開発協力庁(Sida)は、イエメンの人道危機およびSidaによる支援についてHPで解説しています(記事)。
● USAID副長官は、リベリア次期大統領の就任式に出席するためリベリアを訪問し、汚職防止活動や医療へのアクセスなど、包括的で公平な開発を支援する米国政府の活動を推進するための議論を行います(記事)。
● 米国ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション(MCC)は、その革新的な国際開発モデルから20周年を迎えるにあたり、同機関が世界中の何百万人もの人々にもたらした貧困削減について振り返ります(記事)。
● 豪州政府は、ハマスとイスラエルの紛争に起因する緊急かつ継続的な人道的ニーズへの対応を含め、中東への人道支援として2,150万ドルを追加提供すると発表しました(記事)。
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– 国際機関関連 –
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● 国際通貨基金(IMF)は同HP上のブログでAIが世界の労働市場に与える潜在的な影響を調査したリサーチについて言及したブログを公開しています(記事)。
● 経済協力開発機構(OECD)は、最新の「OECD対日経済審査報告書(OECD Economic Survey of Japan)」を発表しました。その中で、日本は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックから回復したものの、世界貿易の見通しの弱さから、新たな課題に直面しており、財政の持続可能性の確保と生産性の向上、そして急速に進む人口高齢化による経済的・社会的影響への対処に、政策の焦点を当てるべきだと指摘してます(記事)。
● 世界銀行は報告書「世界経済見通し(Global Economic Prospects Report)」の最新版で、開発が大きく進展するはずの10年間の折返し地点が近づく中、世界経済の成長率は2024年末までに、5年間のGDP成長率が過去30年で最低の水準になると指摘しています(記事)。
● 世界銀行は、キルギス共和国のデジタル変革を支援するための700万ドルの追加融資プロジェクトを承認しました(記事)。
● アフリカ開発銀行は、5月にケニアで開催される年次総会の詳細を発表しました(記事)。
● 米州開発銀行は、3月にドミニカ共和国で開催予定の年次総会の詳細を発表しました(記事)。
● WMOは、2023年が史上最も暑い年であったと報告しています(記事)。
● UNHCRは、ウクライナの1460万人を支援するために42億ドルのアピールを発表しました(記事)。
● WHOは、41の紛争地で医療システムの再構築を支援するために15億ドルのアピールを発表しました(記事)。
● WHOとUNICEFは、東南部アフリカを中心にコレラのケースが急増していると報告しています(記事)。
● UNDPは、アフガニスタン情勢を分析した報告書を出版し、女性の経済活動への支援を訴えています(記事)。
● OCHAは、ニジェールで430万人を支援するために必要な6億6200万ドルへの拠出が集まっていないと報告しています(記事)。
● ILOは、World Employment and Social Outlookを出版し、2024年に世界の失業率は上昇すると予想しています(記事)。
● IOMは、スーダンの120万人を支援するために3億700万ドルのアピールを発表しました(記事)。
● OCHAは、国連によるガザ支援のうち3/4がイスラエルによりブロックされてしまっていると報告しています(記事)。
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– シンクタンク・NGO関連 –
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● ODIは、第4次産業革命とアフリカの製造業についての報告書を発表しました(記事)。
● ODIは、フリータウン(シエラレオネ)の廃棄物管理のイノベーションについての報告書を発表しました(記事)。
● 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)の専門家は、債務問題や紛争、選挙など、2024年のアフリカ諸国の展望についてコメントしています(記事)。
● ロンドン大学LSEで開催された、ヨルダンのビシェル・アル=ハサーウネ首相による講演の記録が公開されています(記事)。
● 英サセックス大学で、1月28日、ジェンダー、リベラリズム、開発をテーマにしたレクチャーが開催されます。オンラインでの視聴が可能です(記事)。
●アジア財団は、2024年1月より新たに3名の理事を迎えました(記事)。
●世界経済フォーラムは、第54回ダボス会議を開催しました。世界中から3,000人の政策立案者、経営者、国際機関や市民団体、学者、イノベーター等が一堂に会し、信頼の基盤を再構築し、新たなアイデアを生み出し、人々、経済、地球の成果を向上させるパートナーシップを構築するための議論を行いました(記事)。
●JETROアジア経済研究所は、3月6日、国際シンポジウム「グローバルサウス」の新興国と世界秩序の再編を開催します(記事)。

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