【dev-info】 2025年4月1日号(国連、ガザ地区への支援が3週間以上止まってしまっている状況に懸念 他)

2025年4月1日発行 http://www.devforum.jp/

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ワシントンDC開発フォーラム・情報サービス dev-info

皆様の同僚・知人への転送大歓迎いたします。

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「教えることの難しさ」  畠山勝太 (都留文科大学・特定非営利活動法人サルタック)

 

【2】ワシントンDC開発フォーラム新着情報チェック

  • ミャンマー連邦共和国中部で発生した地震被害に対して、外務省の命令に基づきJICAが派遣する国際緊急援助隊(JDR)医療チームが、日本から現地に向けて出発しました(記事)。
  • 英国は、3月26日の春季声明で、2030年3月までの国際協力予算の見通しについて詳細を発表しました。ODA予算は、2027年3月までに現在のGNIの0.5%から0.3%に段階的に削減されます(記事)。
  • ドイツ政府とヨルダン政府は、4月2日、3日に第三回世界障害者サミット(GDS)を開催します(記事)。
  • Save the Childrenは、世界的なインフレにより世界の約半数の子供が健康的な食事が出来なくなっていると分析しています(記事)。

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【1】 ワシントンDC開発フォーラム便り

「教えることの難しさ」  畠山勝太 (都留文科大学・特定非営利活動法人サルタック)

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大学教員一年目が終わり、なかなか教える事は難しいなと感じています。
私が勤務する都留文科大学は公立大学ですが学生の9割近くは山梨県外からやってくるという尖った特徴を持っています。また、私が勤務する国際教育学科もインターナショナルバカロレア(IB)の教員免許が取れる尖った特徴を有しています。IBはグローバルと平和に重きを置いています。私自身も研究プロジェクトを紛争国で持っていますし、昔の友人達も世界各地の紛争地で緊急支援に従事していて日常的なトピックなのですが、学生や同僚から紛争が遠い世界の話過ぎてどう教えればよいか難しいと相談を受けます。同じ建物の中にいるのに紛争というトピックへの距離感があまりにも違い過ぎて、この距離をどう縮めていくか、なかなか思案のしどころだなと感じています。
また先日、私が世界銀行に勤務していた時に色々と厳しくご指導頂いた方と約20年ぶりに再会しました。日本の国際協力について意見交換をする中で、日本の大学では国際協力と言えば紛争に重きが置かれて、国際協力が日本の安全保障につながること・国際交易の活発化を通じて日本経済の発展につながることがあまり教えられていないのではないか、そしてそれがODAへの支持が過去10年で最低水準という現象に繋がっているのではないかと厳しいご指導を頂きました。この20年ほどで複数の国際機関で本部も現場も経験して博士号まで取得したのに、20年前と変わらない厳しいご指導を頂いて思わず自分自身に苦笑いしてしまいましたが。
国際機関に勤務していた時も今も、教育を通じて人々に知識とスキルを蓄積してもらって貧困削減・格差の縮小を起こすという仕事の本質は変わりません。ただ、かつては、途上国の教員支援をするなかで上手くいかず、なぜこれほどまでに途上国の教員達は子供達にうまく教えてあげられないんだと悩む事がありました。しかし、いざ自分が教える立場になってみるとどうやって教えればよいのかと悩む事があり、教えることの難しさが良く理解できるようになりました。
桜を背景に元気で若々しい日本各地の方言が聞こえてくる季節がまたやってきました。1年目に学んだことを活かして2年目はもっと上手く知識やスキルを教えてあげられるとよいのですが。

 

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【2】 開発フォーラム新着情報チェック

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┌――┐Dev-Info 新着情報チェックでは掲載情報を

|\/│募集しています。情報掲載を希望する場合は、

└――┘こちら までご連絡ください。

 

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– 日本関連 –

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  • 令和6年度予算は政府案どおり成立しました。ODAは、新たな開発協⼒⼤綱の下、「⾃由で開かれたインド太平洋」の実現を戦略的に⽬指し、ODAを呼び⽔としつつ、日本の⺠間企業を含め多様な主体の参画を促す旨明記されています(記事)。

 

  • ミャンマー連邦共和国中部で発生した地震被害に対して、外務省の命令に基づきJICAが派遣する国際緊急援助隊(JDR)医療チームが、日本から現地に向けて出発しました(記事)。

 

  • カンボジア王国との間で、無償資金協力「経済社会開発計画(地雷除去関連機材)」及び令和4年度無償資金協力「カンボジア地雷対策センター研修複合施設及び広報施設建設計画」のための贈与の限度額の修正に関する交換公文の署名が行われました(記事)。

 

  • 国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)ブラジル事務所副代表との間で、供与額1億425万円の対ブラジル無償資金協力「ベネズエラ難民及び移民女性の生活向上及び社会経済的包摂促進計画(UNHCR連携)」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。

 

  • ドミニカ共和国外務大臣との間で、109.30億円を限度とする円借款「フード・バリューチェーン強化のための農業金融改善計画」に関する書簡の署名・交換が行われました(記事)。

 

  • 国際協力機構(JICA)は、ブラジル統合地域開発省との間で防災分野での協力を一層発展させるための協力覚書を締結しました(記事)。

 

  • 外務省は、令和7年度国際開発協力関係民間公益団体補助金(NGO事業補助金)の応募を受け付けています(締切4月18日)(記事)。

 

  • 外務省は、各種分野の任期付き職員、非常勤職員を募集しています(記事)。

 

  • 開発に関する人材募集情報がPartnerページに掲載されています(記事)。

 

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– バイ・ドナー関連 –

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  • 英国は、3月26日の春季声明で、2030年3月までの国際協力予算の見通しについて詳細を発表しました。ODA予算は、2027年3月までに現在のGNIの0.5%から0.3%に段階的に削減されます(記事)。
  • 英国は、スリランカ内戦中の深刻な人権侵害と虐待に責任を負う4名に対する制裁措置を発表しました(記事)。

    ●フランスは、3月27、28日に、パリ栄養サミット(N4G)を主催しました。2021年の東京栄養サミットでのコミットメントをさらに発展させ、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する成果が期待されています(記事記事)。

    ●ドイツ政府とヨルダン政府は、4月2日、3日に第三回世界障害者サミット(GDS)を開催します(記事)。

    ●欧州連合(EU)および加盟国は、パリ栄養サミットにおいて世界の栄養不良対策に65億ユーロを拠出することを発表しました(記事)。

 

  • カナダ政府は、スーダンとコンゴ民主共和国の危機対応に資金提供を行います(記事)。

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– 国際機関関連 –

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  • 世界銀行は、キルギス共和国のヘルスケアシステム支援を目的とした1145万ドルの追加支援プロジェクトを承認しました(記事)。

 

  • 世界銀行はきれいな空気へのアクセスに関する報告書”Accelerating Access to Clean Air on a Livable Planet”を発表しました(記事)。

 

  • アジア開発銀行は、3月28日に発生した地震により被災したミャンマーの人々に対する緊急かつ人道的支援として、300万ドルのグラント(無償資金)協力を準備していると発表しました(記事)。

 

  • アフリカ開発銀行は、エスワティニに対する新戦略書を発表しました(記事)。

 

  • アフリカ開発銀行は、サントメプリンシペの経済復興を支援する790万ドルのプロジェクトを承認しました(記事)。

 

  • 米州開発銀行は、エルサルバドルのマクロ財政支援を目的とした5億ドルのプロジェクトを実施します(記事)。

 

  • FAOは、鳥インフルエンザがかつて例を見ない程に感染拡大していると警告しています(記事)。

 

  • WFPは、全世界での食糧支援に必要な資金の8%しか集まっていないものが、アメリカなどの撤退によりさらにそこから40%資金が減ったと報告しています(記事)。

 

  • 国連は、ガザ地区への支援が3週間以上止まってしまっている状況に懸念を示しています(記事)。

 

  • IOMは、暴力が激化するハイチの首都で、僅か一カ月の間に6万人以上が避難を余儀なくされたと報告しています(記事)。

 

  • 国連は、依然として戦闘が続くシリアで1650万人が支援を必要としていると報告しています(記事)。

 

  • UNAIDSは、アメリカの資金カットにより、向こう4年間で死者が630万人増加する恐れがあると報告しています(記事)。

 

  • 国連機関は、今年に入ってコンゴDRCからブルンジへの難民流入が7万人を超え、支援能力の限界を迎えつつあると報告しています(記事)。

 

  • ユニセフは、イエメンでの紛争が10年目を迎え、子供の約半数が極度の栄養不良状態という厳しい状況にあると報告しています(記事)。

 

  • ユニセフなどは、世界の子供の死亡数と死産は改善が続いているものの、資金カットによりこれが吹き飛ぶ恐れがあると報告しています(記事)。

 

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-シンクタンク・NGO・財団関連 –

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  • Save the Childrenは、ウクライナで5000件以上の里親が必要とされていると報告しています(記事)。

 

  • Save the Childrenは、ミャンマーの地震により難民キャンプにも被害が及んでいると支援を訴えています(記事)。

 

  • Save the Childrenは、世界的なインフレにより世界の約半数の子供が健康的な食事が出来なくなっていると分析しています(記事)。

 

  • 2025年度日本NGO連携無償資金協力実施要領オンライン説明会が4月4日に開催されます(記事)。

 

  • 日本のSDGs進捗報告書「自発的国家レビュー」へのパブリックコメントが募集されています、締切は4月18日(記事)。

 

  • 英王立国際問題研究所(チャタムハウス)は、紛争予防についての報告書を発表しました(記事)。
  • 英ODIの専門家は、世銀の調達手続きとSDGsについてコメントしています(記事)。

    ●英NGOネットワークBondは、英政府の春季声明について記事を公開しています(記事)。

 

  • JETROアジア経済研究所はグローバルサウス諸国に関する研究の専門家を招へいしました(記事)。

 

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ワシントンDC開発フォーラム「情報サービス(dev-info)」と

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