2003年1月22日BBL概要 |
ポストコンフリクト復興委員会 −最終報告と実施に向けての課題− |
1月22日、ワシントンDC開発フォーラムBBL「ポストコンフリクト復興委員会: 最終報告と実施に向けての課題」が、約20名の出席を得て行われました。 冒頭、CSIS上級アドバイザー/ポストコンフリクト復興プロジェクト共同ディ レクターのリック・バートン氏よりプレゼンテーションが行われ、その後出席 者間と様々な意見交換が行われました。同プロジェクト概要は次のウェブサイ トに掲載されています。 http://www.csis.org/isp/pcr/index.htm http://www.pcrproject.org バートン氏からの主な意見は次の通りです。 (1)CSISと米陸軍協会による超党派のポストコンフリクト復興委員会は、近 日中に最終報告を発表する。同報告の発表後は、(イ)米国内での実施(議 会、行政府、一般国民への働きかけ)、(ロ)国際社会での行動(UNDP、 UNHCR等)、(ハ)個別論点への取り組み(法の支配等)、(ニ)具体的案件 への取り組み(イラク等)を推進したい。イラクのポストコンフリクト復興に ついては、今般ペーパー(A Wiser Peace for An Action Strategy for Post-Conflict Iraq)を発表した。 http://www.csis.org/isp/wiserpeace.pdf (2)ポストコンフリクト復興では、安全の確保がまず重要である。万能の処 方箋はないが、現場で活動する個々人が自らの身を守れるよう、研修を拡充し 多くの関係者に受けさせることが大事である。 (3)米国にとっての最大の課題は、ポストコンフリウト復興に対する関心を 高め、この分野に十分なリソースを配分することである。現在の状況では、米 国は軍事面で関与する能力は持っているが、軍事活動が終わった後に対応でき る要員は極めて少なく、とても対応できない状況にある。 (4)紛争後より紛争前に対応した方が効果的な場合もあるが、往々にして政治的要素が強く、議論を呼ぶこととなる。紛争前の関与に際しては、政治状況 を理解しつつ迅速かつ柔軟であることが必要である。また、民主主義を構築す るため、当該国の人々の声を吸い上げ、様々な機会を与え、能力を高めること も重要である。 (5)ポストコンフリクト復興には、政治・外交政策関係者(中長期的な政策 を立案)、開発関係者(中長期的那開発を実現)、人道・軍事関係者(直近の 困難解決に対処)の3つのグループが関わっている。それぞれがある種のギル ドを形成しており、相互の理解・協力が達成できていない点が問題である。こ の3者を結びつけるインターフェースとなる人達が求められる。例えば、米国 がポストコンフリクト復興に直接関与する対象国毎に、大統領直属の「復興担 当代表(Director of Reconstruction)」を設置/指名し、政府内外の調整を担 わせることを提案したい。 (6)復興・開発支援にとって大事なことは、新聞の第一面に載るような注目 を集めている具体的な諸事例(high profile cases)について、復興・開発支援 が目に見える明らかな成果を生み出すことである(make a difference)。そう しなければ、復興・開発支援は、一般の人々にとって関係(relevance)のない ものになってしまう。 以上の諸点をはじめ、日本として取り組むべき課題や、議論を聞いての感想など、短い ものでも結構ですのでinfo@developmentforum.orgまでご意見をいただければ幸いです。 |