貿易と開発を巡る最近の動向
世界銀行 大槻恒裕
1. 途上国を取り巻く貿易環境と国際機関
(1) 途上国に不利な貿易環境
南北問題の顕在化とUNCTADの設立
(2) GATTと途上国の関心のずれ
一次産品、投資、サービスの除外
(3) ブレトンウッズ機関の役割と限界
2. WTOの設立と途上国の関心への配慮
(1) WTOの設立と途上国の影響力の向上
(2) 交渉範囲の拡張
一次産品、サービス、投資、知的所有権
(3) 救済措置としての紛争解決機能
(4) ドーハ開発アジェンダと途上国への配慮
3.ドーハ開発アジェンダ
(1) S&D Treatment−特別かつ異なる待遇
(2) 先進国の貿易関連開発援助の義務
(3) TRIP協定ー知的所有権に関する協定
4. 世銀の自由貿易に対する観点
(1)
開発のツールとしての自由貿易
公平重視から効率重視へ
(2)
多面的な開発戦略の一つとしての自由貿易
公平重視と効率重視の並存へ
5.ドーハ開発アジェンダと世銀のアプローチ
(1) 能力開発的アプローチ
WTO協定遵守へのキャパシティービルディング
国際競争力の強化
(2) 制度的改革アプローチ
開発のための多角的貿易システム
先進国の通商政策面での譲歩
6. 世界銀行の取り組み
(1) 貿易関連融資
輸出信用、交通・港湾インフラ
(2) 能力開発
セミナー、ワークショップ
(3) 政策研究
(4) WTO参加支援
中国、ロシアの参加支援
LDCs−統合フレームワーク(Integrated Framework)
7. シンガポールアジェンダへの取り組み−貿易円滑化
(1) 貿易円滑化ー通関手続きの簡略化、行政や規制の透明化、合理化
(2) 研究レベルでの貢献
貿易円滑化への優先分野の特定
(3) 貿易円滑化キャパシティービルディング
WTO関連セミナー、ワークショップ
(4) 技術協力での貢献
貿易関連インフラ拡充