DACハイレベル会合(4/15-16)・予告編 今回は、4月15、16日に開催予定のDACハイレベル会合(HLM)予告編です。本会合は、年に一度DACメンバーのハイレベルの援助関係者が集まり、DACの活動の進捗確認、主な課題に関する今後の方向性の提示等を目的とした議論を行う場です。
今年のメインテーマは「援助量と援助効果の向上」、「安全保障と開発」、
「成長アジェンダとMDGs」の3つで、昨年来急に議論が活性化してきた二番目の安全保障関連を除けば、今までのアジェンダのストックテーキングのように
も感じられますが、議論には昨今のDACでの議論に見られる2つの新しい方向性が色濃く映し出されることが予想されます。
第一の方向性は、DACそしてバイドナーの活動とMDGsとの明示的な関連づけの動き。来年の中間レビューや他のフォーラムでの議論の盛り上がりに伴い、
DACでもなるべく多くの議論を明示的にMDGsと関連付けて行う動きが昨今目立ちます。今回のHLMでも、これらメインテーマがMDGsを達成する手段、そしてMDGsをより持続的なものにする手段、として様々な角度から議論が行われる予定です。また、少し違う角度からの取り組みとして、MDGs達成に対するバイドナーのフォーラムの責任という観点から、デンマーク等が実施している第八目標モニタリングの紹介もある予定です。
第二の方向性は、特に後者2つのアジェンダに関連し、「beyond aid…」とい
う表題に示されるとおり、途上国の「開発」の実現に向けては援助だけでは不
十分であり、援助以外の分野とどのように関係を強化して取り組むべきかとい
う点です。特に三番目の「成長アジェンダ」の関係では、OECD内部でもセミ
ナー開催等の動きが最近目立つようになり、例えば途上国の開発に役立つ投資・貿易を促進するための援助の役割に関する議論等が活発化している中、各分野の担当機関の協力促進につき議論が展開している状況です。例えば最近開催のOECD-DAC/WTO
Meeting on Trade Capacity についてはウェブサイトをご覧下さい。
このような中、HLMではDACとしての役割につき、OECDジョーンストン事務総長を招いて議論が展開される予定です。日本からは、外務省古田経済協力局長が参加予定です。日本として、これらの問題について具体的に現場でどう進めていくのか、今後の方針が示されることが期待されます。
(パリDAC通信担当:寺門雅代)
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