15,16日DACハイレベル会合がパリ開催されました。米、加、独、UNDPをはじめとする13の国と組織から開発大臣等閣僚級の参加を得、主に、@ミレニアム開発目標(MDGs):援助効果と援助量、A安全保障と開発、B経済成長アジェンダに加え、Cクリーン開発メカニズム(CDM)のODA計上問題についても合意を目指して議論が行われ、メンバー国が合意したステートメント
が、議長サマリー及び2003年ODA暫定値とともに16日に公表されました。
今回のパリDAC通信では、主な議論の結果を下記のとおり簡単にご紹介し、次号以降、主な論点等に関し議論の過程を含めてご紹介する予定です。
(DACハイレベル会合主な議論の結果)
●「MDGs達成に向けて:援助効果向上・援助量」
DAC諸国全体の援助量が増加傾向にある点が歓迎されつつも、引き続きMDGs 等の達成に向けた努力の必要性も確認された。モンテレイで多くの国がコミットしたODA増額の期限やミレニアム宣言の中間レビュー会合等に鑑み、2005年は非常に重要な年であることを再確認。現場で具体的な成果を上げることや、途上国主導の援助効果向上の重要性が確認された。
●「安全保障と開発」
開発を実現するためには安全の確保が大前提であるとの認識が共有され、この分野における政策ペーパーと好事例集が採択された(後日公表予定)。また、同分野における活動に関するODAの適格性に関する議論も行われ、児童兵雇用防止、治安システムにおける市民社会の役割強化、治安関連支出の管理における民主的な統制についてのODA適格性を明確にすることで合意。
●「経済成長アジェンダ」
開発目標の達成における成長の重要性が再確認された。また、PRSP(貧困削減戦略ペーパー)等の各国の開発計画の中に成長要素をより適切に盛り込む必要があること、貿易、投資等、途上国のキャパシティビルディングに注目しつつ、他の政策分野との連携が重要であること等が確認された。
●「クリーン開発メカニズム(CDM)のODA計上」
ODA予算を用いたCDM事業に関し、先進国が受け取る温室効果ガス排出権の価格分を控除した上で、DACにODAとして対し報告することを原則とすることで各国が合意、技術的な詳細に関しては引き続きDACの下部組織を中心に検討を行っていくこととなった。