今回は、パリ・ハイレベルフォーラム関連の第4号として、調達キャパシティビルディングにつきご紹介いたします。
途上国の調達キャパビルは、援助効果向上アジェンダのうちの一つとして、中でも(1)途上国政府の基礎能力強化→ドナーによる開発援助の効果向上、結果の持続性確保、(2)途上国政府の基礎能力強化→ドナー開発援助案件における途上国政府制度の利用(=調和化、アラインメント)→開発援助全般の効果向上、との観点から途上国の公共財政管理能力向上の一環として位置付けられ、広く議論されています。
DACとの関係では、2001年の「LDC向けODAアンタイド化勧告」)の中で「途上国における調達能力強化」が謳われており、世銀と共催の「途上国調達能力強化ラウンドテーブル」や、DAC下部機構援助効果作業部会の「調達ジョイントベンチャー」にて、議論を行っています。具体的には、@調達問題の主流化戦略、A良い調達システムを構成するベンチマーク、及び調達システム改革の状況を把握するためのモニタリング、評価フレームワーク、B調達キャパシティディベロップメントに関する好事例集の作成準備が進んでいます。これらの文書・フレームワークは、例えば、Aについては、ある国で行う調達システムの制度改革の際にベンチマークのラインにそって目指すべき制度の状態に関する話し合いが行われたり、制度改革の過程で、目標の制度やその運営状態と現状を長期的に比較して、改革の指針としていくなど、将来的に現場で実際に使われていくものとなります(世銀等、その方向で現在議論中との話もあります)。
なお、これらの文書は、11月30日から12月2日までヨハネスブルグで開催予定の第三回DAC・世銀共催途上国調達能力強化ラウンドテーブルにて議論を行った後にエンドースされ、その後各途上国の開発現場にて利用されるための議論が開始される予定です。ラウンドテーブルの結果は、2005年パリ・ハイレベルフォーラムでも周知、議論され、今後現場での展開に推進力が与えられる予定です。
(パリDAC通信担当 寺門雅代)
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