From Paris/パリDAC通信第35号 |
2005年5月14日 |
そろそろ「パリ援助効果ハイレベルフォーラムの“報告”」とはいえなくなってきましたので、今回は開発成果マネジメントに関する同会合での議論の概要とその後のフォローアップに関してご紹介差し上げます。 1.ハイレベルフォーラムでの開発成果マネジメントに関する議論 (1)フォーラムでは、本件に関する分科会が開かれ、ベトナム、ウガンダ、マダガスカルでの取組みに関する報告の後、主に参加者間で、開発成果を生み出す上で援助を効果的に実施しているか、また仮に援助が効果的であるとした場合、どのようにそれを把握可能かという問題につき議論を行った。援助が開発成果に確実に貢献するためには、パートナー国関係者の強いオーナーシップ向上、めざすべきビジョンの明確化と戦略実施の優先順位付け、ドナーによるパートナー国の開発戦略へのアライメント等が必要との点が確認された。更に、援助成果を出すために、的確な情報を収集、共有し、その上で各活動・事象の因果関係(result chain)を特定することが重要、その際、望まれる開発成果を特定することが大切で、指標の特定に時間をかけるのではなく、指標を活用して望まれる開発成果を特定する姿勢が重要との意見も出された。 (2)本分野は、調和化、アライメントに比べて、比較的新しい援助効果アジェンダとの認識に基づき、パリ宣言では、開発成果マネジメント体制を構築していくための前提として、パートナー国は、開発戦略と年次・長期予算プロセスとのリンク強化や成果重視のレポートや評価枠組みの構築を努力すること、ドナー側は国別援助実施計画やリソースと望まれる成果との関係を強化し、援助をパートナー国のパフォーマンス評価フレームワークにアラインすること等が約された。 (3)DAC開発成果マネジメント・ジョイントベンチャー(JV)では、本件分野におけるドナー、パートナーの努力を促進するため、「ソースブック」を作成してきており、今回のフォーラムではそのドラフトが公開された(!大変見やすく有用な情報も多いので、是非ご覧下さい!)。 2.フォローアップ フォーラムでは、多くの参加者より、本件についてドナー、パートナーがお互いに経験を共有するためのプラットフォームの形成が必要との指摘がなされた。そのため、フォーラム後、4月末に行われたJVの会合では、これを実現するための作業計画に関する最初の議論が行われた。引き続き検討が行われていく予定。 (パリDAC通信担当 寺門雅代)
2005年4月18日第34回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告(その3 能力開発)」
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