OECD/DACは世銀等とともに、2008年9月にアクラで、ドナー・パートナー国、国際機関、市民社会組織等を招待し「援助効果向上アクラハイレベルフォーラム」の開催を予定しています。
OECD/DACはこれまでに、2003年のローマ調和化ハイレベルフォーラム、2005年のパリ援助効果向上ハイレベルフォーラムと2回のハイレベルフォーラムを開催してきました。2005年のパリハイレベルフォーラムでは援助効果向上のための「パリ宣言」が採択され、現在「パリ宣言」に沿って100以上のドナー・パートナー国、国際機関、市民社会機関が援助効果向上の取組を行っています。
2008年のアクラハイレベルフォーラムでは、2010年までの実施が予定されている「パリ宣言」について、2006年及び2008年の2回の「パリ宣言」モニタリング調査結果をもとに中間地点での進捗確認をするとともに、モニタリング調査結果から浮かび上がりつつある様々な課題について議論し、議論の結果を成果文書として採択する予定にしています(この成果文書は「パリ宣言」を代替するものではなく、2010年の目標年までの「パリ宣言」の実施を促進する方策を記載した文書となります。)。
またアクラハイレベルフォーラムでは、これまで以上にその構成・内容についてパートナー国の意向が尊重されることになっており、パートナー国からは、パートナー国のオーナーシップ強化や、パートナー国の能力開発、援助実施におけるパートナー国のシステム(調達制度等)の活用等について議論する希望が強いようです。さらにアクラハイレベルフォーラムでは、DACドナー以外の援助のアクター(新興ドナー、市民社会組織、様々なファンド)が増加する中で、いかに援助の重複や空白を避け効率的に援助を展開していくかについての議論も予定されています。
アクラハイレベルフォーラムの準備は、今後実行委員会を中心に進められ、パートナー国や市民社会団体との協議、世界各地域での準備ワークショップ等を通じて加速される予定です。2008年は、国連開発資金会合も予定されており、援助の質と量の両面の議論が活発になる年となりそうです。
(パリDAC通信担当:吉田)
バックナンバー
2006年
12月26日第55回「対オランダ援助審査からみたDAC −その4−」
11月26日第54回「対オランダ援助審査からみたDAC −その3 「優等生」オランダから学べ!?−」
10月19日第53回「対オランダ援助審査からみたDAC −
その2 「援助審査」はお手盛り審査?−」
10月19日第52回「対オランダ援助審査からみたDAC −その1−」
8月5日第51回「協力求む!?「パリ宣言」モニタリング調査の開始」
6月13日第50回「続・一般財政支援の効果はいかに?」
5月28日第49回「OECD閣僚理事会」
5月15日第48回「一般財政支援の効果はいかに? 」
2月21日第47回「OECDの開発に対する取組み強化(その2)− 投資分野での取組み−」
2月7日第46回「OECDの開発に対する取組み強化」
1月25日第45回「スケールアップに関する議論−続編−(第2回 DAC・世銀スケールアップ会合)」
2005年
12月11日第44回「質問:ブルガリアに派遣されている青年海外協力隊の費用は、『ODA』でしょうか?」
(「DACリスト」改訂)
11月28日第43回「スケールアップに関する議論」
11月1日第42回「ODA増額のためにODAを使う?」− ODAに占める開発教育・広報費の割合−
9月18日第41回「OECD/DAC事務局による2010年におけるODA量のシミュレーションと最近のDAC内外におけるホットトピック」
9月6日第40回「9月国連総会(首脳会合:World Summit)とOECD/DAC」
8月22日第39回「援助効果ハイレベルフォーラム・フォローアップ(その2)」
7月22日第38回「パリ援助効果ハイレベルフォーラムフォローアップ」
6月27日第37回「オバケODA」を退治せよ?」
5月28日第36回「開発援助サポーター倍増作戦−DAC諸国における広報−」
5月14日第35回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告とそのフォローアップ(その4 開発成果マネジメント)」
4月18日第34回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告(その3 能力開発)」
3月19日第33回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告(その2 パリ宣言と我が国の対応 ) 」
3月4日第32号「パリ援助効果ハイレベルフォーラム」
2月5日第31号「Forum on Partnership for More Effective Development
Co-operation」
1月23日第30号「脆弱な国家(fragile states)における援助効果向上に関するシニアレベルフォーラム」
1月11日第29号「DACアウトリーチ戦略(その2)」
2004年
12月14日第28号「DACシニアレベル会合(SLM)」
11月16日第27号「開発援助における評価の方向性」
10月29日第26回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その4 調達キャパビル)−」
10月15日第25回『ニカラグア通信:現場から見た調和化・アラインメント』
10月1日第24回「DACアウトリーチ戦略−対外協力関係の今後−」
8月10日第23回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その2 開発成果マネジメント)−」
7月28日第22回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その1)−」
7月12日第21回「ODAでCO2排出権を買えるのか?」
6月12日第20号MDGsへの貢献はどう図るべきか?
5月30日第19号「対フランス援助審査」
5月18日第18号「OECD閣僚理事会(5/13-14)」
5月4日第17号 「援助量と援助効果の向上」
4月18日16号「DACハイレベル会合
報告」
4月6日15号「DACハイレベル会合(4/15-16)・予告編」
3月14号
2003年
12月13号
10/11月12号
7月21日11号
7月7日10号
6月22日9号
6月9日8号
5月5日7号
4月28日第6号
4月17日第5号
4月7日第4号
3月31日第3号
3月24日第2号
3月10日第1号 |