「パリ宣言」第2回モニタリング調査が開始されました。
1.第1回モニタリング調査の結果
2006年に実施された第1回モニタリング調査では、34の被援助国における「パリ宣言」5原則の取組状況について、以下が明らかになりました。
●オーナーシップ
●アライメント
- 信頼できる公共財政管理システムを有している国の割合は31%
- 被援助国の国家予算に報告された援助の割合は88%
- 国家開発戦略と整合した能力開発支援の割合は48%
- 被援助国の公共財政管理・調達システムの活用割合は各39%
- 削減が目標とされている並行プロジェクト実施組織の平均新設数は62
- 予定通り支出された援助の割合は70%
●調和化
- アンタイド化された援助の割合は75%
- PBAに基づく援助の割合は43%
- ドナーが共同で行った調査、分析作業の割合は各16%、40%
●開発成果マネジメント
- 透明でモニタリング可能な実績評価枠組みを有している国の割合は7%
●相互説明責任
2.第2回モニタリング調査の開始
第2回モニタリング調査では、参加国が51カ国に拡大し、分析結果は9月に開催される援助効果向上アクラハイレベルフォーラムにて報告される予定です。
「パリ宣言」が採択されてから約3年。またパリ宣言の目標年である2010年まであと2年余り。第1回モニタリング調査結果からの進捗が注目されます。
(モニタリング調査の詳細はhttp://www.oecd.org/dataoecd/58/28/39112140.pdfをご覧下さい。)
(パリDAC通信担当:吉田 徹)
バックナンバー
2008年
1月7日第63回「謹賀新年:2006年ODA額と2010年ODA額シミュレーション」
2007年
12月21日第62回「気候変動への適応とODA」
12月13日第61回「DACにおける「能力開発」の議論の開始」
11月12日第60回「急速に存在感を増しつつある「新興のドナー」(OECDの拡大とハイリゲンダム・プロセス)」
10月30日第59回「「パリ宣言」:開発成果のためのマネジメントに向けた取り組みとは」
10月22日第58回「急速に存在感を増しつつあるBRICs等の「新興のドナー」」
9月26日第57回「増えるODAとその配分」
8月7日第56回「2008年援助効果向上アクラハイレベルフォーラム」
2006年
12月26日第55回「対オランダ援助審査からみたDAC −その4−」
11月26日第54回「対オランダ援助審査からみたDAC −その3 「優等生」オランダから学べ!?−」
10月19日第53回「対オランダ援助審査からみたDAC −
その2 「援助審査」はお手盛り審査?−」
10月19日第52回「対オランダ援助審査からみたDAC −その1−」
8月5日第51回「協力求む!?「パリ宣言」モニタリング調査の開始」
6月13日第50回「続・一般財政支援の効果はいかに?」
5月28日第49回「OECD閣僚理事会」
5月15日第48回「一般財政支援の効果はいかに? 」
2月21日第47回「OECDの開発に対する取組み強化(その2)− 投資分野での取組み−」
2月7日第46回「OECDの開発に対する取組み強化」
1月25日第45回「スケールアップに関する議論−続編−(第2回 DAC・世銀スケールアップ会合)」
2005年
12月11日第44回「質問:ブルガリアに派遣されている青年海外協力隊の費用は、『ODA』でしょうか?」
(「DACリスト」改訂)
11月28日第43回「スケールアップに関する議論」
11月1日第42回「ODA増額のためにODAを使う?」− ODAに占める開発教育・広報費の割合−
9月18日第41回「OECD/DAC事務局による2010年におけるODA量のシミュレーションと最近のDAC内外におけるホットトピック」
9月6日第40回「9月国連総会(首脳会合:World Summit)とOECD/DAC」
8月22日第39回「援助効果ハイレベルフォーラム・フォローアップ(その2)」
7月22日第38回「パリ援助効果ハイレベルフォーラムフォローアップ」
6月27日第37回「オバケODA」を退治せよ?」
5月28日第36回「開発援助サポーター倍増作戦−DAC諸国における広報−」
5月14日第35回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告とそのフォローアップ(その4 開発成果マネジメント)」
4月18日第34回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告(その3 能力開発)」
3月19日第33回「パリ援助効果ハイレベルフォーラム報告(その2 パリ宣言と我が国の対応 ) 」
3月4日第32号「パリ援助効果ハイレベルフォーラム」
2月5日第31号「Forum on Partnership for More Effective Development
Co-operation」
1月23日第30号「脆弱な国家(fragile states)における援助効果向上に関するシニアレベルフォーラム」
1月11日第29号「DACアウトリーチ戦略(その2)」
2004年
12月14日第28号「DACシニアレベル会合(SLM)」
11月16日第27号「開発援助における評価の方向性」
10月29日第26回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その4 調達キャパビル)−」
10月15日第25回『ニカラグア通信:現場から見た調和化・アラインメント』
10月1日第24回「DACアウトリーチ戦略−対外協力関係の今後−」
8月10日第23回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その2 開発成果マネジメント)−」
7月28日第22回「ローマ調和化宣言」のその後−パリ・ハイレベルフォーラムに向けて(その1)−」
7月12日第21回「ODAでCO2排出権を買えるのか?」
6月12日第20号MDGsへの貢献はどう図るべきか?
5月30日第19号「対フランス援助審査」
5月18日第18号「OECD閣僚理事会(5/13-14)」
5月4日第17号 「援助量と援助効果の向上」
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